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【超ショートショート】(239)~見上げた空の向こうに~☆CHAGE&ASKA『シルバーパラダイス』☆

見上げた空の向こうに
たぶん待ってる人がいるんだ!

私たちが
陸の上に居ながら
まるで水中に居るように
毎日を息苦しく
溺れそうになりながら
やっと呼吸をしてる。

呼吸をする度に出る声は
言葉にもなっていない
ただのため息。

私たちは
ため息の声さえ出すことが
許されない毎日を生きている。

話せる声を持っているのに
大切な人に
「愛してる」
とさえも伝えることが
叶わない
許されない。

何のための声なのか?

夢の中
視力を失くしたという人が現れた。

彼女に毎日
何を頼りに生活をしてるのかと尋ねた。

彼女によらば
すべて「音」だと話す。

その「音」には
人の声もあった。

彼女は
ただの「音」より「声」のほうが
ぬくもりがあると話す。

どんなぬくもり?

真っ暗の夜の海に
波の音だけは聞こえてる
その中から
一筋の光がさして
太陽のぬくもりを与えるように
人の「声」にも
太陽と同じくらいのぬくもりがあるという。

「声」には
たくさんの感情が声色の音符となり
人を癒したり
人を傷つけたり
人を慰めたり
人を勇気づけたり。

声を持つ私たち
声を発することが許されない今
この声で出来ることは何か?

星降る夜
見上げた空の向こうに
届けたい声がある。

そんな願いを叶えるために
今から何をすればいい?

目の前に
むかし買ったカセットテープ。

予備校の講義を録音するために買ったもの。

あともう少しでお誕生日の
あの人に
どんなに声を届けたらいいんだろう?

いざ
カセットテープを目の前にすると
話せるものも話せなくなる。

恥ずかしさというより
録音機材となる
ラジカセに
カセットテープを入れなきゃね!

裸のカセットテープに
誰だって
話したって
何も録音できないじゃん!

そうやって
たくさんの言い訳を
見つけながら
いざ録音!
なんて挑める勇気が今はほしいところ。

思いはあれど
一歩が踏み出せない。

見上げた空の向こうに
待ってる人が
必ずいるというのに・・・。

声を出すことが
こんなに大変だと思わなかった。

でもね!
やっぱり・・・
Happy Birthday for you
と言ってみたい。
その声を残してあげたい。
そのたくさんの声を届けてあげたい。

恋に
恥ずかしさを消す催眠術があったら
かかりたい!

もう・・・
時間がさ・・・
迫ってるんだけどな。

毎日の練習は
普通に話せるのに
現実は
やっぱり
恥ずかしい。

でも
届けたいよ!

Happy Birthday for you

ってさ!


(制作日 2022.2.1(火))
※この物語はフィクションです。


今のマスク生活で、
声が出せないという所から、
コンサートでも歓声が禁止されています。

楽しみにコンサートに行っても、
笑い声一つも出せないという、
悲しい現実を
楽しみにしているコンサート会場で
経験するわけです。

でも、
もっと悲しいのは
歓声をもらえない、
楽しい反応や表情が見えない
ステージの上の人たち。

そんな人に
もし今、
こんな時代だから出来ることで、
声を届けられたら、
喜んでもらえるかなって
思った。

そんなことをお話に書いてみました。

選曲は、
明るい曲を選んでみました。
そのためお話とは、
関係ないと言えばないかもしれません。

(ニックネーム)
ねね&杏寿
(旧ひまわり&洋ちゃん)
(Instagram)
https://www.instagram.com/himawariyangchiyan/

~~~~~~

選曲したい曲は
CHAGE&ASKA
『シルバーパラダイス』
作詞作曲 ASKA
☆収録アルバム(レコード)
CHAGE&ASKA
『Snow Mail』
(1986.12.5発売)



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