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静かな赤ちゃんと対面

私も夫も立ち会い出産と、赤ちゃんとの面会を希望で意見が一致していました。

分娩台に移動してからは、あっという間でした。

10分少しで産まれてきてくれました。

お産直後は朦朧としていましたが、しばらくすると助産師さんが、赤ちゃんを包んで運んできてくれました。

6ヶ月間、エコーでたくさん見てきた赤ちゃん

もう今しか会えない赤ちゃん

無事にお産が終わった安堵と、

産声をあげることもなく、静かに眠る赤ちゃんに対面し

色々な感情が混ざり合う、言葉で表現しきれない気持ちになりました。

個室に戻り落ち着きを取り戻すと、お腹の中にきてくれた我が子にしっかり向き合い、心に刻んでおきたいという気持ちが強くなり、しばらく家族3人での時間を過ごしました。

両手のひらにすっぽりおさまってしまう、とても小さな赤ちゃんだけど

目があって、鼻があって、眉毛があって、どことなく夫似の赤ちゃん。

その顔をみて、我が子なんだと強く認識させられると同時に、

お腹のなかで苦しい思いをさせちゃったね、ごめんね、という気持ち。

堪えきれない涙が溢れてきました。

どうしてわたしの赤ちゃんが、どうしてこうなってしまったんだろう

模索しても答えが出せないことはわかっているのに、絡みついて離れない。


夕方に、院内の一般の方が入れないスペースで納棺になりました。

お産の時に担当してくださった先生と、助産師さんも手を合わせに来てくださいました。

死産宣告から慌ただしくも刻々と過ぎた時間を、まだ現実として受け止めたくありませんでした。

そんな気持ちに寄り添うかのように、しとしとと雨が降る中、霊柩車を見送りました。




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