飛翔
2021年4月11日のスプリングコンサートは、思いがけず自分にとっての節目となった。
無観客の配信コンサートではあったけれど、しっかりとお客様からお金を取るという面で、意気込みと責任は普段の無料配信とは比較にならない。
これまでインタビューやライブでもよく話してきた、私の好きなもの、好きな音楽と、今回のコンサートはとても強く結びついていた。
私は季節の移り変わりを肌で感じるのが好きで、風や水のようにすうっと体に入ってくる音楽が好きだ。
プログラムの選曲はまさにそれを意識していた。
私自身の好きを詰め込んだ。
ここから先は私の価値観で語るので、それは違うのでは?と思ったら読むのをやめてください…すみません。
自主企画のコンサートで一番大切なのは、自分が何を届けたいか、が明確であることだと思う。
私の音楽の魂の根っこにはヒーリングミュージックがある。
最も多感な中学、高校の頃にそればかり聞いていたせいかもしれない。
音大卒の奏者が有料のコンサートを開催する時、基本的にクラシックで固めたプログラムでなくてはいけない、という呪縛が息苦しかった。
誰に言われたわけでもないその暗黙の了解的なものは、確実にこの世界には存在している。
私は、自信を持って私の表現ができる曲を演奏したい。
そして、なんのしがらみもなく好きな音楽を広めたい。
その気持ちを大切にしたいと思った。
正直に、表現したい、聴いてほしい音楽を詰め込んだコンサート。
終演後、たくさんの方から嬉しいご感想をいただいた。
とにかく
「やってよかった。」
その一言に尽きる。
今回だけはたくさんの嬉しい言葉達を大いに真に受けて、糧にしたい。
備忘録として、私には勿体ないくらいの、心に沁みたメッセージの数々を一部抜粋で書き残させていただく。
新しい世代の音楽が多く、自然にそうした響に寄り添っている感じもとても好感度が高く、ややこしいクラシックやジャズに無理してこだわるのではなく、コンサート全体の空気感も真摯で清潔でとても良かったです。
指揮者・元NHK交響楽団首席オーボエ奏者/茂木大輔さん
素晴らしい『歌』でした。心から感謝しております。齊藤さんの真摯に音楽に向き合う絵姿と楽器の演奏としてのサウンド、その釣合がきちんと取れていて、存分にひとつのアートになっていると感じました。
作曲家(さくらのうた作者)/福田洋介さん
細部まで命の宿る演奏、TpとPfの羨ましいほど見事な調和、選曲と構成、空間の雰囲気、マイクやカメラ、全てにおいて、チームとしても見事に成功しているコンサート。強い意気込みを感じました。(中略)齊藤舞子という人物の存在証明のような。
トランペット奏者/高垣智さん
自分で自分のブログに称賛のお言葉を載せることは美しくないかもしれません。
すみません。
でも、終演後の皆様からのお言葉で、吹っ切れたのです。
長い呪縛から解き放たれた気持ちです。
私はクラシックを演奏します。でもない。
私はジャズを演奏します。でもない。
私はポップスを演奏します。でもない。
私は齊藤舞子です。私の音楽を聴いてください。
と言い続けて活動していきたい。
ジャンルは問わない。関係ない。
良い曲を演奏し、広めて、後世に残す手伝いをする演奏家の使命を、私なりのやり方で全うしたい。
今回のコンサートに関わってくださった全ての方々へ、感謝の気持ちを込めて。
ありがとうございました。
そして、今後とも宜しくお願い致します。
トランペット奏者 齊藤舞子
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