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そのかい(櫂)にてをそえて…45

暑かったを何とか無事に乗り越えてやっと朝晩涼しいになった。そして初冬へと。
真冬が大好きなので、これからの季節は妙にテンションが上がるが、お仕事は12月から2月の受験シーズンは嵐の様な毎日だ。
仕事とプライベートの緊張と弛緩。心と身体のバランスが大事だ。

どうしてもいつどんな時にも(当たり前だが)仕事と勉強だけは全身全霊で取り組んで、一瞬足りとも気が抜けないし抜かない。
過去の経験が更に追い討ちをかけた感がある。

以前の教室にいた中2の男子生徒。
サッカー部で活躍していて勉強も頑張っていた素直で素敵な子。
いつも誰よりも早く来て"俺、塾大好き"と言っていた。
複数の教科の授業に出ていて私も受け持っていた。ところがある日、少しずつ取っている授業が減って行って…ある日の授業後に

"ねぇ、この後何かある?"と彼が聞く。

"ううん、もう終わり。自習でもしてく?"

直ぐに様子が変だと気づいたのに、何か話したそうにしてたと解ったのに…

"ううん、いいや、じゃあ俺帰るね?"

と明るく手を振って帰ったんだ、いつもの様に。
そしてその日が最後だった。
"成績が下がったら塾を辞めさせる"と保護者様が言っていたとの事。私が担当していた教科はじわじわと上がっていたのだけれど…
お母様と"この授業だけはやめたくない"とちょっと口論になったと後で聞かされた。
泣いた。がらがらの帰りの電車内ではらはらと。
それ以来、僅かな変化に気づいたら優しく声かけしようと誓った。ひとりひとりの性格をよく見て慎重に言葉を選んで距離感を大事にして。
思春期真っ只中だものね…?

後日談があって、その子と同じクラスの女の子を担当する事になり、もの凄く迷ったけれど短い手紙を渡して貰ったんだ。(その女の子には細やかなお礼のプレゼントを渡した)
"元気にしてる?いつどんな時も心からエールを送っているよ"みたいな当たり障りのない内容の。
そうしたら数日後、その女の子経由で思いがけず返事を貰った。
"ありがとう、嬉しかった。俺、勉強頑張っているよ"って。

だから例え頭痛がしようが胃がきりきり痛もうがプライベートで苦しい悩みがあろうが、職場に着いたら全身全霊で目の前のひとつひとつをきちんとこなす事、出来得る最高最善を尽くす事を自分に課している。泣くのは帰りのがらがらな電車内か家に着いてわんこを抱きしめてからでいい…

ありがとう、君のおかげで今も私、頑張れているよ…

*フリー画像お借りしました

まだまだ日中は私には暑い日もあるが、これから大好きなに向かうから、お仕事もプライベートもテンションが上がるはずだ。
お仕事は全然楽しくはないが、好きだ。
"ただいま"と帰って来る度に全身でその喜びを表してくれるわんこが待っているこの上ない喜びも…

ああ、今日も一日が無事過ぎていく事に感謝。

良くない時も良い時も更に更に積んどく

*皆さま、どうかご安全にお過ごしください