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PdM日記

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プロダクトマネージャーをやってて気づいたことを書くマガジン。 内容はその時点でのもので、体系的なベストプラクティスではありません。
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記事一覧

「非同期ワーク」を試した2年間を振り返る

こんにちは!プロダクトマネージャーのひまらつ(@himara2)です。 私が働いているmicroCMSという会社では「非同期ワーク」を推進しています。非同期ワークとは朝会などの同期的な集まりを極力減らし、SlackやNotionなどで非同期にコミュニケーションを進める働き方です。 そんな非同期ワークを導入して約2年が経ったので、このnoteで振り返りを書いてみます。 非同期ワークに切り替えた理由microCMSはフルリモートワークの会社で、メンバーは全国各地からリモートで

良い戦略は実行計画を含む

こんにちは!プロダクトマネージャーのひまらつ(@himara2)です。 「戦略」とはどこか掴みどころのない言葉です。会社の事業戦略を考えたりそれをプロダクト戦略に落とし込んだりを定期的に行っていますが、戦略とは何を考えることなのか、いまいち解像度があげきれずにいました。 最近、プロダクトの行く先を考えるなかでその意味するところが少しわかった気がしました。戦略とは何か?戦略を立てるときに何に気をつければよいのか?このnoteで自分の理解を整理してみます。 戦略とはなにか?

プロダクトマネージャーの仕事で疲弊しないための習慣と心構え

こんにちは!プロダクトマネージャーのひまらつ(himara2)です。 プロダクトマネージャーは面白い仕事ですが、苦しい瞬間も多くあります。不確実性に向き合ったり、自分の意思決定が間違っていたり、外部要因に振り回されたり。プロダクト開発は長期戦なので、落ち込んだ状態から回復する力が必要です。 この回復する力は「自己修復力(セルフレジリエンス)」と呼ばれており、プロダクトマネージャーに必要な要素に挙げられることもあります。 このnoteでは苦しい瞬間を乗り越える心構え、心身を

"伝わる" テキストコミュニケーション

こんにちは!プロダクトマネージャーのひまらつ(@himara2)です。 私の所属するmicroCMSという会社では「フルリモートワーク」かつ「非同期ワーク」で働いています。 非同期ワークというのは同期的な集まりを持たずに仕事を進めることで、例えば朝会のような定例は極力開かれません。microCMSはエンジニアの比率が高いため、エンジニアが集中して作業できる時間を増やす目的で非同期ワークが導入されました。 非同期ワークを始める前は不安もありましたが、実際にやってみるとSla

イベント「プロダクトづくりの壁を乗り越えた話」でLTしました #プロ壁

こんにちは!ひまらつです。 先日、こちらのイベントでLT枠をいただき、15分ほどお話しさせていただきました。 プロダクト筋トレのメンバー4,000人超えを記念したイベントで、テーマは「壁を乗り越えた話」。 プロダクトマネージャーとしての1年を振り返ると、一番難しく感じたのは優先度決めとの向き合い方です。 そこで「意思決定のモヤが晴れるまで」というタイトルで、当初の戸惑いからユーザーインタビューを通して次第に視界が開けていく体験を話してきました。 このnoteではそこで話

カリスマじゃなくてもリーダーになれる

こんにちは!ひまらつです。 みなさんは自分がリーダーに向いていると思いますか? 私はプロダクトマネージャーという職種をしています。プロダクトについて決断したり、ビジョンを示したり、チームをまとめたりと、リーダーシップを求められる機会が多くあります。 私は自信満々に振る舞ったり、大きなことを言ってメンバーを牽引したりするのがあまり好きではなく、自分は誰かを手伝うのが得意なサポータータイプだと思ってます。 そんな自分がプロダクトマネージャーを始めてもうすぐ1年。色々な経験、

エンジニア向けSaaSとPLGは相性が良い

こんにちは!ひまらつです。 前回のnoteでは実際の施策例を交えながらPLG戦略を紹介しました。PLGはProduct-Led Growthの略で、マーケティングやセールスなどの機能をプロダクト中心に考える戦略のことです。 このPLGですが、エンジニアを対象とするSaaSと特に相性が良いと思っています。このnoteではその理由について書いてみます。 PLG型で伸びたエンジニア向けサービスPLGで成長したサービスは数多く、その代表格はZoomやSlackです。エンジニア向

実践PLG - すべてをプロダクト中心に考える

こんにちは!ひまらつです。microCMSという会社でプロダクトマネージャーをしています。 PLGとはProduct-Led Growthの略で、「プロダクト主導型の成長」を意味します。従来の営業主導型と比べて、マーケティングやセールスの機能をプロダクトにセントライズするのが特徴です。ZoomやSlackがPLG型で成功したこともあり、言葉をご存知の方は多いかもしれません。 PLGの本などもいくつか出版されていますが、日本ではまだまだPLGの実践例は少ないように感じます。

良いサービスはスクショ見たらわかる

こんにちは、PdMのひまらつです。 仕事やプライベートで触っていて、「あ、このサービスいいな」と思うことがあります。使い込んでというよりは、ちょっと触った時点でもうわかる。この感覚が不思議に思っていたので整理してみました。 良いサービスはスクショ見たらわかる画面が現在地を教えてくれる 良いサービスは、画面が現在地を教えてくれます。 上の画像は Notion のページですが、サイドバーとヘッダーで階層がナビゲーションされていて、「いま自分がどの画面にいるのか」がパッと見で

ユーザー価値とビジネス価値の関係性

こんにちは。プロダクトマネージャーのひまらつです。 プロダクトを考える上で重要な要素に「ユーザー価値」と「ビジネス価値」があります。これらの関係性について考えてみたので、自分の整理をまとめてみます。 プロダクトマネージャーの仕事は何か以前に別の note で書きましたが、プロダクトマネージャーの仕事は「プロダクトを成功に導くこと」です。そしてプロダクトの成功とは「ユーザー価値」「事業収益」「ビジョン」の3つを達成することです。 これらの要素のなかで、ビジョンだけは少し毛

プロダクト作りにおけるSimpleとEasyの違い

こんにちは、ひまらつです。プロダクトマネージャーをやっています。 最近プロダクトの「Simple」と「Easy」について考える機会がありました。これまでは意識せず使っていたこれらの単語ですが、自分の中で整理ができたのでnoteに書いてみます。 EasyとSimpleの違いEasy - 簡単に使える Easyは「簡単に使える」ことを意味します。内部で色々な処理をしていても、それが隠蔽されていればユーザーからは簡単に見えます。 ユーザーは自身の目的を達成するためにプロダクト

12/28 PdMとデザイナーの役割分担を考える

プロダクトマネージャーとデザイナーの仕事は被るところも多く、どうお互いの領域を整理するか悩ましい。書籍や記事を探してもあまりしっくりくるものはなかった。本に書くには具体的すぎるし、会社やチームの文化によっても違ってくる部分なので一概には言えないのかもしれない。 そんなとき、デザイン思考で使われる「ダブルダイヤモンド」という考え方を知った。 ダブルダイヤモンドは「課題」と「解決策」の2つのダイヤモンドから成るモデルで、問題発見からデリバリーまでのフェーズの移ろいを表している

12/15 アートで選び、サイエンスで支える

アートとサイエンスについて。 何かを決めるとき、大きく「アート」と「サイエンス」の2つの方向があると思う。アートは直感で決め、サイエンスは数字とロジックで決める。 山口 周さんの『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』の本では、アートとサイエンスに加えて「クラフト」の要素が紹介されている。クラフトとは経験による判断のことだが、自分的にはこれはアートと近いものではないかと思っている。自分が見たり聞いたりしてきたことが、直感に作用する。 アートはイノベーションの種で

意思決定との向き合い方。ベストはないがベストエフォートはある

この note は プロダクトマネージャー Advent Calendar 2022 の12日目の記事です。 こんにちは!ひまらつです。 プロダクトマネージャーをしていると、日常的に意思決定が求められます。プロダクトの方針から細かい仕様まで、その内容は大小さまざまですが、どの意思決定も大変でとてもエネルギーが必要です。 このnoteでは意思決定の何が大変で、その大変さにどう向き合えば良いのか、最近自分が考えてることを整理してみたいと思います。 そもそも、なぜPdMが必