見出し画像

モツゴ「クチボソ」の生態と釣り方

【モツゴ】 
 モツゴは、関東地方では「クチボソ」と呼ばれています。日本では、雑魚を代表する魚です。モツゴは、水質の汚染に強く、環境適応能力があります。また繁殖力が高く、病気にも強い魚です。コンクリートで護岸工事された河川や用水路でも普通によく見られます。モツゴは、日本全国に広く分布していますが、地方によっては、絶滅危惧種です。主な生息場所は、平野部の「湖沼」で、その他、川の「中・下流域」や、農業用の「用水路」などにもいます。

 【生態】 
 モツゴは、だいたい8cm位の小魚です。体高が低く、細長い形をしています。約一年で成魚になり、その寿命は3~5年です。魚体は、全体的に銀色で、体の側面には黒い線があります。モツゴは、尖った頭部に「受け口」の「おちょぼ口」が最大の特長です。その口には、口ひげはありません。モツゴは、雑食性で「藻類」や「アカムシ」「プランクトン」などを食べます。その性格は、小さな魚体に似合わず、意外と攻撃的です。 
 モツゴの繁殖期「4~8月」のオスには「婚姻色」と「追星」が現れます。「追星」とは、口の周りに現れるブツブツのことです。モツゴの婚姻色は、側線の黒い縞が見えなくなるくらい全身が黒くなります。婚姻色や追星は、繁殖期のコイ科のオスによく出るものです。繁殖期のオスは、気性が荒くなり、卵が孵化するまで産卵床に近づいてくる外敵を攻撃します。モツゴの孵化率が高いのは、オスのこうした習性があるからです。メスは、晩春に、川岸の「葦の間」や「砂礫底」「水草」「岩の影」「石」などに産卵します。 

 【釣り】 
 他の魚でも同様ですが、釣りで一番重要なのは場所です。モツゴは、ポイントさえつかめれば、初心者でも簡単に釣れます。釣果を出すには、良く釣れるポイントを探すことです。モツゴは、障害物の陰を好みます。そのため、ポイントとなる所は「水草の茂み」「藻」「杭」などの周りです。そういった所に、モツゴは群れになっています。特に釣れる時期は、3~5月か9~10月です。季節を問わず、一年中釣れますが、時期によってはてこずることもあります。
 場所の次に重要なのが餌です。モツゴは、何でもよく食べます。しかし、極めて口が小さいので、食べられるサイズに餌も小さくしなくてはいけません。また、その口の小ささゆえに、針にかからないことがよくあります。そのため、モツゴは、バラしが多く、なかなか釣れそうで釣れません。また、その小さな口で、吸い込むように、餌だけ食べてしまうので「餌取り名人」などと呼ばれ、釣り人たちの嫌われ者となりました。
 モツゴは、比較的容易に釣れるので、子供の格好の相手とされています。小さい魚の割には、アタリが大きく分かり易いからです。モツゴは、怖ろしい速さでウキを水中にひっぱり込みます。そこでも慌てず、少し遅めにアワセを入れるのがコツです。初心者のうちは、ウキは動いているのに、なかなか針にかかりません。しかし、何度もアワセる動作を繰り返していくうちに、うまく口に針をかけることが出来ます。餌は、成魚なら、アカムシが一番良く釣れますが、それ以外なら、小さいミミズやグルテンです。仕掛けは、基本的にタナゴ釣り用で代用出来ます。

道糸:「0.3~0.6」号
針:   「0.8」号
止水域「湖沼、池」:「ウキ釣り」
流水域「川、用水路」:「脈釣り」


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?