渓流釣り、スピナーの使い方
【スピナー】
スピナーは、渓流魚の餌となる虫や魚とは、似ても似つかない形状です。しかし、水中で羽化した水性昆虫や、水面でもがく陸生昆虫を模しているとされています。スピナーは、技術によって釣果に差が出ません。そのため、どちらかと言いえば、初心者向けのルアーとされています。また、価格も高くありません。欠点は、動きが単調なので、チェイスのみで、バイトまで至らないことです。 スピナーは、ブレードを回転させることによって魚を誘います。そのブレードの回転によって、発生するのが「フラッシング」と「波動」です。それらによって、広範囲にいるトラウトにアピールすることが出来ます。フラッシングとは、ルアーが日光を乱反射することです。スピナーのブレードは、一方向に回転し続けます。そのため、ラインヨレが発生しやすくなるので、スイベルをつけた方が良いかもしれません。
使用されるカラーは、主に「ゴールド」と「シルバー」です。ゴールドは「曇り」や「水が濁っている」時に、シルバーは「晴れ」や「水が澄んでいる」いる時に使用します。標準的なサイズは、3~5gです。3gは、浅いポイントで使います。ただし、軽いので、浮き上がりやすいのが欠点です。5gは「深場」や「水流が強い」場所で使用されます。流れが強い場所で、重めのルアーを使うのは、沈めてから巻く必要があるからです。5gのスピナーは、特に水量が多く、流れが強い春などに使用されます。
【アクション】
スピナーは、金属製で重量があるので、よく飛びます。そのため、正確な場所に、キャストしやすいルアーです。また、沈むスピードが早いので、狙いたいレンジに、すばやく到達することが出来ます。ただし、流れに負けずにレンジをキープするためには、ブレードが回転するギリギリのスピードで、早く巻かないといけません。ブレードが回転している時は、手元にプルプルと振動が伝わってきます。
スピナーの基本的なアクションは「ただ巻き」です。スピードや動きに変化をつけたい時は「ストップ&ゴー」「トゥイッチ」「ジャーク」「ボトムノック」などというテクニックを使います。
【クレビスタイプ】
スピナーには「クレビスタイプ」と「インラインタイプ」があります。クレビスタイプとは、ブレードの固定にクレビスというパーツを使っているスピナーのことです。どちらかと言えば、こちらの方が、一般的なスピナーだとされています。「クレビス」とは、シャフト「針金」とブレードを連結させる部品のことです。「シャフト」には「ボディ」と「ビーズ」も付けられます。ボディとは「おもり」のことです。おもりには、ブレードの回転を高める、補助的な効果があるとされています。「ビーズ」の方は、魚がバイトをするさいにポイントととなる部分です。
クレビスタイプは、しっかりと水圧を与えないとブレードが回転してくれません。ただし、一度回ってしまえば、安定して回転してくれます。そのため、レンジをキープするのに優れたスピナーです。ビギナーには、ダイワの「ブレッドン」と「シルバークリーク」がおすすめとされています。
【インラインスピナー】
インラインスピナーとは、穴の空いたインラインブレードが、直接シャフトに装着されているタイプのことです。主に、浅い所で使用されます。インラインタイプは、着水後のルアーの立ち上がりが早いことが特徴です。素早くブレードが回転することで、川幅が狭く、引ける距離の少ない渓流でも、バイトチャンスを増やしてくれます。インラインスピナーは、どちらかと言えば、ピンポイントで狙う釣り向きです。ただし、シャフトのアイとブレードが一直線上にあるため、水の抵抗を受けやすく、使ってみると、巻き抵抗が強いと感じる人も多いかもしれません。渓流で、よく使われているのが「ARーS」というスピナーです。ARーSは、高回転で、立ち上がりも早く、どんなスピードで巻いてもブレードが回転してくれます。