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ナマズの生態


【生息場所】 

  ナマズをあまり昼間に見かけません。もともと夜行性であり、物陰に隠れることを好むからです。そのためナマズは、狭い場所に身を潜めるのに適した体型をしています。川での生息場所は、中下流域の流れの緩やかなエリアです。特に、流れのない淀みにはよく潜んでいます。逆に流れの早い瀬にはいません。ナマズが好むのは、底が泥質の川です。岸辺に葦が茂っていれば、そこに隠れていたりします。ナマズは、泳ぐのが得意ではないため、普段から活発には泳いでいません。じっと動かない上に、隠れているので、非常に見つけにくい魚です。ナマズは、湖沼にも生息しています。しかし、広いエリアで探すのは困難です。探すとすれば、隠れ家になるような障害物の周辺でしょう。 

 【田んぼのナマズ】

  ナマズの産卵期は、5か6月です。その時、田んぼに集まる習性があります。これは、もともと浅瀬で産卵する性質があったからです。田植え後、間もない田んぼの周辺では、良く見かけます。ナマズを探す場合、そうした場所が最適です。田んぼ周辺には、餌となる小魚も集まります。ナマズが田んぼ周辺に来るのは、その餌が目当てだからです。餌を探し回っており、あまり同じ場所にはいません。小魚がよく集まる場所は、用水路の堰堤です。堰堤は、ナマズの格好の餌場となっています。そのため、ナマズの食い気が高いことが多いです。 

 【ナマズの生態】 

  ナマズは、肉食性の獰猛な魚です。その感覚器官のうち嗅覚と聴覚は、特に優れています。そのため、物音や臭いにはとても敏感です。優れた聴覚で、泳いでいる魚の音をとらえることが出来ます。ナマズは、音に敏感なので、近づく際には音を立てないようにしなければなりません。また皮膚も敏感で、水流の変化を感知することが出来ます。これらの感覚器官を使って、夜でも獲物を捕らえることが可能です。ナマズの二本のヒゲは、水の振動を感じることができます。これを動かすことによって、獲物を探しているのです。またヒゲには、舌のように味を感じる味蕾があります。ナマズは、目が小さく、視力もあまり良くありません。出来きるのは、光を感知することぐらいです。目に頼らない狩りをするため、捕食活動は主に夜行われます。夜に良く釣れるのはそのためです。ナマズは、どちらかと言えば、捕食はあまり上手くはありません。 

  ナマズは、水底を這うように泳ぎます。あまり速く泳ぐタイプの魚ではありません。どちらかといえば、獲物を待ち伏せして捕食します。そのため、あまり獲物を追いかけて回して捕食しません。獲物に食いつくのは、目の前を通過した時です。その際、その大きな口で、回りの水と一緒に獲物を吸い込むように丸呑にします。この時、発するのが独特の「ズボッズボッ」という捕食音です。 

 【活動時期】 

  ナマズの活動期間は、地域差もありますが、だいたい3~11月上旬だと言われています。活発に動き出すのは、だいたい5月くらいです。特に産卵前の梅雨の時期は、餌を沢山食べて体力をつけようとします。ナマズの活動水温は、10度から30度くらいです。15度を下回るとあまり捕食しなくなります。どちらかと言えば、比較的高い水温を好む魚です。ただし、水温が高くなりすぎる真夏は、朝夕に活動します。ナマズが、餌を活発に捕食するのは、秋までです。水温が下がる冬場は、活性が低くなり、泥の中や岩の間に隠れて動かなくなります。 

 【活動時間帯】 

  ナマズは、基本的に一日中活動しています。ただし、明るい昼間はあまり活動しません。捕食活動を始めるのは、薄暗くなった夕方からです。曇りの多い梅雨の時期は、昼間でも捕食活動が見られます。特に活性が高まるのが大雨の後です。ナマズは、あまり視覚には頼りません。そのため夜に活動的になる夜行性の魚です。


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