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日本の淡水魚、カマツカ

【カマツカ】
 カマツカは、コイ科の魚です。ただし、ハゼのような姿をしています。カマツカは、鱗が「鎌の柄」のように硬いので、それが名前の由来になりした。ちなみに、胸と腹には鱗がありません。カマツカは、釣り人の間では「カワギス」とも呼ばれています。そう呼ばれるのは、海にいる「キス」という魚に似ているからです。カマツカは、体が細長く、口の先が尖っています。その口は、下向きについており、吸引機のような形です。ちなみに、口の周りに一対のヒゲがあります。体色が、褐色に黒い斑なので、それが保護色となり、砂の上にいるとなかなか見えません。

【生態】
 カマツカは、岩手、山形県以南の「本州」「四国」「九州」に分布しており、河川の上〜中流域に生息する魚です。カマツカは、どちらかと言えば、出会うことが難しい魚だとされています。澄んだ清流を好み、ドブ川の様なところには住まないからです。ただし、小川や用水路にいることがあります。カマツカの適水温は、15°~26°で、どちらかといえば低水温には強く、高水温が苦手な魚です。自然下での寿命は、4~5年で、成長すれば、体長15cm~20cmくらいになります。

 カマツカは、大人しく臆病な魚です。そのため、他の魚とは、あまり争いません。外敵に襲われた時なども砂に潜って逃げます。その時の逃げ足は、コイ科の中でも早い方です。砂に潜ったら、目だけを出します。その様子から「スナホリ」「スナムグリ」「スナモグリ」などという別名を付けられました。カマツカは、あまり活発に動き回らない底生魚なので、普段は、流れが緩やかな川底を好み、砂底や石の上でじっとしています。

【捕食】
 カマツカは、底生魚なので、川底を這って採捕するタイプの魚です。捕食をする時は、砂ごと頬張り、餌だけこしとり、余分な砂は、エラから勢いよく吐き出します。その様子から「スナフキ」と呼ばれました。カマツカは、どちらかと言えば、待ち伏せして餌を捕らえるタイプの魚です。ただし、捕食はあまり上手ではありません。カマツカは、雑食性で、幼魚の時は「藻」を食べ、成魚になったら「水性昆虫」などを食べます。

【繁殖期】
 カマツカの繁殖期は、晩春から初夏にかけてです。メスは、流れが緩く、水深の浅い砂底で産卵します。産卵する時間帯は、夕方から夜中にかけてです。卵は、直径1㎜の球形で、約6日ほどで孵化します。カマツカには、婚姻色が見られません。婚姻色とは、繁殖期のコイ科のオスによく出るものです。その他に「追星」とよばれるぶつぶつも現れます。しかし、カマツカの場合、その追星も、あまり目立ちません。

【飼育】
 カマツカは、あまり人に慣れません。そのため、初心者が飼うには、やや難しいとされています。その上、カマツカは、きれいな水を好み、水質の変化に敏感です。そのため、こまめに水を替えなくてはいけません。ただし、病気には強く、比較的丈夫な魚です。カマツカは、他の魚と混泳する場合、餌の競合で負けてしまいます。なぜなら、底生魚なので、浮いてる餌をあまり食べないからです。そのため、餌は、沈下性の方が良いとされています。また、大人しい魚なので、他の魚に攻撃されないように、出来れば隠れ家も必要です。カマツカは、水槽の掃除屋とされています。砂に溜まった汚れを攪拌し、水槽のコケまで食べてくれるからです。

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