年寄りが何度も同じことを言うのは、べつに情報伝達のためではなく、鳥が鳴くように声を発すること自体が目的。受け取る側がそれを情報伝達と取るから何度も同じこと言うな!となる。

ウグイスに向かって「何度も同じ鳴き方するな」という人はいない。歌手のマドンナに「同じことを何度も歌うな」とは言わない。それは聞いてる側が情報伝達のために歌っているのではないとわかっていて、言葉よりその響きを楽しんでいるから。
自分の母親が同じことを話していても穏やかにそれを聞いてる人は、鳥のさえずりを聴くように、母親が少し長いフレーズをしゃべる”母の声”の響き、空間、時間の流れを楽しんでいるのかもしれない。母が何か伝えようとしていると考えてる人にはただの面倒な時間。
年寄りはただの石を見ていても若造が感じ取れない美や空間をたのしむことができる。

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