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ココナラの出品アルゴリズムを考えてみる


Introduction

2024年1月から出品を始めたココナラ。
5月になるまで1件も購入されなくて苦労したけれど、なんやかんや9月現在は総計約40万円前後の売上を立てている。特別なにかを努力をしたわけではないのだけれども、初めて購入された5月から現在までの4ヶ月で40万以上の売上ができているのはさすがに実績と呼んで差し支えないと思うから、やってみてわかったことをまとめてみる。

Process 1 : はじめての出品でやっていたこと

「よし、ココナラに出品してみよう!!」と思い立ったとしても、正直現在のココナラ市場は成熟済みの環境にあると考えているので、何も考えずに出品すれば誰の目にも触れることなくいつまでも1件も相談すら来ず、静かに脱落していく未来になることでしょう。

基本的には
・長年ココナラに出品をしていて
・現時点で多くの評価と実績を積み上げている
・(評価平均が5.0の出品者)
そういう商品に相談 / 購入が集中する構図は誰の目にも明らか。

今から新規参入するとすべて0からスタートになるので、やっぱり厳しい。そこで考えたことが次に挙げる2つ。

  • 可能な限り人の目に触れる状態を作る

  • みんなが狙っていない層を狙いにいく

1. 可能な限り人の目に触れる状態を作る

この要素を分解すると次の2つの具体的要素に分解できる。

  • 出品情報を作り込む

  • 評価0件でジャンル上位に表示されるアルゴリズムを発見する

1つ目は徹底的にやって当然のことだけど、制限文字数限界までアピールポイントを詰め込む、サムネイル画像・商品説明画像を他と差別化して作り込む、そういうこと。

次にジャンル別で上位に表示されるためのアルゴリズムを探してくる必要があるんだけど、当然、GoogleやMetaのように誰にも正解はわからない超絶複雑なアルゴリズムではないでしょうから、、、なんならすごい単純なアルゴリズムで上位に表示される商品が決まっていると予想できる。

結果的には、出品情報を徹底的に作り込むという工夫がアルゴリズムでもポジティブに評価されるみたいでして、特に何もせずとも初回出品時点でGoogle Apps Scriptジャンルの中で323件中31位という意味のわからない順位に表示されていた。

(びっくりした)

2. みんな狙ってない層を狙いに行く

次に意識したこととしては、ココナラというと低価格で簡単な作業を受注してサクッと納品してというところを狙っている人がたぶん多いだろうということ。理由としては売上から手数料22%という法外な引かれ方をするので、大型の受注はかなり割に合わないと感じてしまうということと、低価格売買がメインの媒体なので大型の依頼をしてくる人が適正な予算を提示してくることは稀だということ。この2つの理由から通常の感性を持つ人であれば、規模の大きな依頼は断り、比較的簡易的な依頼を受けていると想像できた。

「稀だということ」

あえてここを狙いにいくことにした。
もちろん低価格の依頼も受けるけれども、出品詳細の中身もGASでWeb操作とか、比較的規模大きめな事例とかも紹介するように少しだけ工夫をしている。

Process 2 : 実際どうだったかという話

出品した1月から5月までは売上0円。1件も売れなかった。
毎日商品情報を書き換えたらもっと上位に表示されないか?とか、文面をちょっと工夫したら上位に表示されないか?とかもやってみたけど、どんなに頑張っても30位前後から動くことはないので、更新頻度やSEOみたいな単語単語の部分はほとんど見られていないようだった。

ただ救いはあって、見積り相談は5月になるまでも一定数届き続けていて、GASでは実装が不可能だったり、絶対に無理な費用を提示されたりばかりだったから全部断っていたという感じ。

だから最初の工夫が完全に意味がなかったとは思っていなくて、少なくとも一定の人の目には触れるラインには届いていて、かつ、「相談してみよう」というラインにも届いていたのはだいぶ健闘したほうだと自分では評価している。

Process 3 : 初売上がついてみてわかったこと

ほんとたまたまなんだけど、「これくらいなら妥協してもいいかな」という程度の相談依頼が来たのが5月だった。「本当だったら少なくとも10万は欲しいけど、まぁ、1件は評価つけたいから必要経費」と割り切れるくらいの価格提示だったので、受けることにした。

作業自体は問題なく納品して、無事初めての売上もついた。
で、自分の出品情報の掲載順位を見てみたらそれまで30-50位の間で停滞していた出品順位が一気に10位以内まで上昇していた。

ジャンル『Google Apps Script』掲載順位集計

つまりどういうことかというと、ココナラのアルゴリズムにおいて最もポジティブに評価されているのは、おそらく「売上高」ということ。購入件数や評価数、ココナラランクも加味されてはいるだろうけれど、たった1件の売上がついただけで他の20件以上の出品をごぼう抜きにしてしまうくらいには売上高が高く評価されることがここで初めてわかった。

Process 4 : 瞬間最大だけどジャンル1位になってさらにわかったこと

これもたまたま気づいたことであるんだけど、先に書いた売上高という指標はたぶん月が変わるとリセットされると思われる。と、いうのも、たまたま納品が月初日だったことがあって、その売上もそこそこ大きい額だったんですね。

その後に掲載順位を確認したところ、なんとGoogle Apps Scriptだけではなく、自動化全般ジャンルなどの上位ジャンルでもかなり上の掲載順位になっていた。

以下のグラフは最上位ジャンルの「業務自動化・効率化」ジャンル(総出品数4,235件 / 2024年9月現在)での出品順位の推移。一気に12位まで上昇した。それまでは120位前後で表示されたいたのでとんでもない上昇幅である。

ジャンル『業務自動化・効率化』掲載順位集計
GASジャンルで1位になって調子乗ってる奴(すぐに2位に落ちた)

そして、翌月になると売上高がリセットされて売上高を除いた本来の表示順に戻っていく。

Last process : 現在の状況

最後に現在のどんな感じでココナラを運用し、どのくらいの結果になっているかという話。

数字の話

まず販売実績件数で言うと、合計12件でココナラにいる人たちの中では駆け出し状態と言っても過言ではない数字。出品ページについている評価も合計6件と、正直なんでこんな上位に表示されているのかわからないくらい評価件数も少ない。

しかし、現在のココナラランクはプラチナランクになっており、Google Apps Scriptで出品している人たちの中でも僅か20人しかいない最上位層に位置している。

次に最も重要な売上については、5月から現在まで平均すると月々約10万円の収益になっている(手数料22%差引後)。ココナラでは過去3ヶ月以内に10万円以上の売上をつけているとプラチナランクに認定されるため、安定して毎月10万円の収益になっている点から考えると20人の中でもそこそこ上位にいる説がある(推測ですけど)。

方針の話

販売実績が12件しかない理由なんだけど、これは見積り相談が来ないから少ないのではなくて、ほとんど全部断っているから少ないことが理由。先日数えてみたところ過去相談依頼を受けたメッセージの9割近くを突っぱねており、実際に提案して購入してもらっているのは全体の1割強に過ぎないらしい。

断っている理由としては、まず第一に商品ページに「GASコード新規作成の依頼については、ご予算が数千円台でのご依頼は基本的にお断りしております。」と記載しているにも関わらず、3000円 - 5000円で依頼してくる人がめちゃくちゃ多いから。どれだけ簡易的なプログラムだとしてもこれは自動的にお断りです。

次に、そもそもGASでは実装が不可能なケース。
ローカルPCを操作しないといけない要件だったり、2段階認証を求められるログインが必要な要件だったり、外のネットワークには接続していない社内サーバーシステムだったり、、、色々ある。これはもう仕方ないお断りです。

あと意外と多いのが「全然できるけどそりゃ無茶だよ😭」なご相談。
予算はココナラにしてはそこそこ出してくれるんだけど、Webスクレイピングもして、ログインもして、API連携もして、スプレッドシートのフォーマットも整えて、あれこれ機能も追加して、、、と普通に受けたら60-100万くらいは提示したい要件を3万とか5万とかでやってと相談される。これは、、、さすがによっぽどのボランティア精神がないと無理だ。みなさん仕組みを知らないだけで悪気はないので、これも仕方ないお断りです。

とまぁ、そんな感じでほぼほぼ断る方針で運用してる。つまり度を越えた安請負はしないという方針ですね(本来は安く請け負うプラットフォームなんすけどね)。

ターゲットの話

基本的には出品当初と変わっていないのだけれども、「低価格の依頼は基本断り、数万円単位の予算を出してくれる人から受ける」というココナラ環境に逆行するようなターゲット設定にしているのは、ひとつ大きなメリットがあるからに尽きる。

依頼者の質が比較的良い。
もちろんプログラムやパソコン操作に明るくない人は多いけれど、そんなことよりも要件定義から納品後の動作確認まで、難しいことでも最初から最後まで丁寧にやり通してくれるという真摯さがある。これは作る側からしてもとても取引していて気持ち良い。見積り相談でたくさんブチ切れそうになるDMを受けてココナラ辞めたくなっても、「もう少し続けてみよ」と思い直せる。「全然予算オーバーするけどがんばっちゃうぞ!!」という気持ちになれる。

低価格で受け続けているとなかなかこうは行かないと思う。途中で連絡取れなくなるとか、理不尽なクレームつけられるとか、「無料でやれ!!」とか言ってくる人とか、絶対いる。やっぱ気持ち良く仕事できるって大事ですからね!!見積り相談受けてあれこれ調査して、「要件は〇〇で、見積り〜〜円です」と送っても、「調べてくれてありがとうございます」なんて絶対言わないし、挙句返信すらもしないみたいなあたりにその片鱗を感じている。

いろいろやってみての所感

冒頭で述べた通りココナラはかなり成熟した市場なので、今から参入して無策で挑めば全く成果を出せることなく三日坊主で脱落していく未来が容易に想像できる環境。しかし、内部の仕組み自体はとても単純なアルゴリズムで動いているっぽいから、ちょっと策を練るだけで一気に上位層に上り詰めることができる環境でもあることがわかった。

出品している人たちの属性や競合の多さにもよるだろうけど、少なくとも今回見つけたことはココナラの他ジャンルでも普遍的に活かせるのではないでしょうか。

とにかく重要なのは、商品ページを徹底的に作り込むこと、そして、みんな狙っていない層を狙うこと。同じジャンルで出品している商品を可能なら100件は閲覧して、彼らがどんな人に向けてメッセージを発信しているのかを分析してみると良いと思う。あと100件くらい出品されている商品ページを読み込めば、自分がどんな風に出品ページを作れば良いのかは自ずと答えが出てくるはず。「なんか誰も〇〇してないなぁ」とか「なんでみんな出品画像がダサいんだろう」とか疑問や穴も見えてくる。

ここまでやれば、あとは1件商品が売れるまでじっと耐えて待つのみ。以上!!

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