【解説】山手線一周の運賃っていくらなの?
どうも、暇人でんです。今日、いつものようにネットサーフィンしてると内容めちゃくちゃなこんな記事と出会いました。
こちら寝過ごした後の取り扱いが相当憶測で書かれているのでこんなの読まなくて結構なのですが、このような1文がありました。
一般人ならふーん、なるほど580円かぁとなりますが、鉄オタの私はこうなるんです。
ちょっと待てよ、と。それは違うぞよ、と。
山手線に乗るなら電車特定区間だけ考えればいい?そんなわけないのが切符の少し難しいところです。というわけで今回は山手線を一周する乗車券について説明していきます。
注意
この記事は2023年6月の情報をもとに書いております。消費税率、鉄道駅バリアフリー料金制度の加算運賃など違いがある可能性がございますので十分ご注意ください。
山手線一周は500円であり、150円でもあり、300円でもあり、760円でもある
山手線一周する乗車券というのは複数種類存在し、主に500円、150円、300円、760円となる4パターンが存在します。順に解説していきます。
500円の乗車券 山手線の正規経路で購入した場合
購入しやすさ★
コスパ ★★
結論から言いますと、山手線の正規経路の34.5キロで乗車券を購入した場合、500円となります。経路は山手線と同じで、東京→上野→田端→池袋→新宿→大崎→品川→東京、という山手線の一周経路です。
なぜネットニュースのように580円ではなく、500円になるのでしょう?まずは580円のソースとなる電車特定区間の範囲と運賃表見てみましょう。
おそらくこの2つをみて営業キロより580円と求めたんでしょうね。しかしね、これしっかり注意事項があるんですよ。上記サイトにこのような記載があります。
はい、電車特定区間内でも、山手線内は山手線内の運賃表というのが適用されます。
それがこちら。
その肝心な表には20kmまでの運賃しか存在していません。まぁ理由としましては一周で買うような人って相当変わり者の人だけなんで。
運賃表が無い、ではどうしたら良いでしょう。
旅客営業規則から計算すればよいのです☆
旅客営業規則というのはこういう切符のルールとかを超明確に書いた、いわば切符のルールブックのようなものです。ではJR東日本が公開している旅客営業規則に則り解説していきます。
まず山手線の運賃についてはこのように定められてます。
内容ざっくり言うと1kmあたり13.25円で旅客営業規則第77条に従い計算してね、と書かれています。先程出した表で、山手線と大阪環状線とで運賃が異なるのは、ここに書かれている税率加算のところで山手線は切り上げ、大阪環状線は四捨五入(第77条1-2より)としているため異なるんですね。
では肝心の第77条はこちら(必要部分のみ抜粋)
11km以上50km未満は5km刻みの運賃で、計算時は13km、18km、23km…と真ん中の値で計算するんですね。また、営業キロを掛けたあとは1円の位で切り上げするそうです。
そして、最後に鉄道駅バリアフリー料金制度。こちら、先程紹介した電車特定区間内で相互発着する場合、一律10円加算です。
つまり山手線一周乗車の場合はこのように計算します
山手線一周の営業キロは34.5km。31〜35kmの間になるため、運賃計算は33kmで行う
33 × 13.25円 = 437.25円。1円単位で切り上げて440円(税抜)。
消費税の計算。440 × 0.1 = 44。1円単位で切り上げなので50円。
鉄道駅バリアフリー料金として10円
440 + 50 + 10 = 500円
と、こう求まります。こういう切符の計算ソフトであるfarertはまだこの鉄道駅バリアフリー料金に対応していないので490円と出ますが、乗車券分割プログラムというサイトで出したところ500円でしたのでこれで合っているかと思います。
こちら10円値上げ前、税率10%のときの山手線一周乗車券。あってそうですね。
また、経路は中央東となってますが、マルス券に「山手線」というのは記載されないらしく、新宿〜代々木の中央線のみ記載されるためこのようになるらしいですよ。
150円の乗車券 大回りをした場合
購入しやすさ★
コスパ ★★★★
はい。大回りをした場合です。まずは一般的な大回りのルールを確認しておきましょう。
同じ経路を2回通らないこと
同じ駅を2回通らないこと
大都市近郊区間内であること
基本的にこれが大回りの鉄則とされています。しかし、こんなことも出来てしまいます。
みどりの窓口で発駅と着駅を同一にして発券してもらういわゆるO型乗車券の場合でも大回りは可能
一体何を言っているのかと思われますが、大回りは東京近郊区間内で相互発着の場合、重複しないかぎり経路を問わず最も安い運賃で計算する、という規則です。つまり発着駅は同一でも大回りは適用できるんです。例えばこんな切符でも山手線を1周出来てしまいます。
はい、このように1周する経路を組んでいる場合はみどりの窓口でのみ発券することが可能となっています。基本的にえきねっとや指定券券売機では購入できません。
150円で可能なのは秋葉原、神田を発着とする御茶ノ水経由の乗車券です。こちら3kmを切るため最安の150円となります。他にも可能な駅はありまして、東京から錦糸町、秋葉原を経由し東京に戻ってくる230円の乗車券、田端から赤羽、池袋を経由して田端に戻ってくる320円乗車券、代々木から池袋、田端、秋葉原を経由して代々木に戻ってくる360円乗車券など色々とあります。
しかしこれは大回りの規則をしっかり理解していないと痛い目を見るので、そこは注意が必要です。
300円の乗車券 隣駅までの往復切符を購入した場合
購入しやすさ★★★
コスパ ★★★
これも先述の大回りの規則を利用したものになります。例えば渋谷から原宿の往復乗車券を買ったとしましょう。この渋谷から内回りで渋谷まで1周するとしますと、まず往路の渋谷→原宿は大回り適用で進みます。そして原宿→渋谷は正規経路で進みます。おそらくこれは自動改札対応していないと思うので有人改札利用となるかと思いますが、しっかり正規のきっぷを保持しているので出ることが可能です。
760円の乗車券 都区内パスを購入した場合
購入しやすさ★★★★
コスパ ★★★★★
一番いいのがこれだと思います。いわゆるフリーパスってやつです。
おすすめする理由としては1日何周しても760円である、という点です。いままでお伝えした切符だと1周しかできません。しかし、こちらは何周でも出来てしまいます。
先程お伝えした150円というのは秋葉原と神田駅発限定なので、通常は300円を選択することになります。つまり2周+αの行動をするのであれば断然こっちのほうが安いんですね。
まとめ
とりあえず安価でポピュラーなところを上げておきました。金額や購入難易度もバラバラなので、自分にあったものを選ぶことをオススメします。
私は東京に行ったら必ず1周するくらい山手線乗るのが好きなのですがみなさんはどうでしょうか?運転席の後ろに立ち、すれ違う車両を眺めるのも悪くないですよ。特に近年は上野東京ラインや相鉄直通線の開業で見られる車両の数も多くなり、楽しさが倍増しています。みなさんも機会があれば山手線一周の旅をしてみてはいかがでしょうか?
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