僕が敬意を表する尋常ならざる人物
どうも。暇人33号です。
皆さんは、「敬意を表する人物は誰ですか?」と聞かれて、なんと答えますか?
今回は、日本ではあまり知られていないであろう、僕が敬意を表する人物を紹介したいと思います。最初に、軽く人物の紹介から行きたいと思います。
宜しければご覧ください。
尋常ならざる人物、G・Iグルジェフ(1866〜1949)の紹介
ギリシャ系の羊飼いで吟遊詩人でもある父と、アルメニア系の母の間に生まれたこの人物は、アルメニア生まれの神秘主義者、著述家、舞踏作家、作曲家で、19世紀後半から20世紀前半にかけて活動された人物です。
直接的に彼の影響によるものと語られることはないものの、彼による生涯の取り組みは、後年になって精神世界や心身統合的セラピー、エコロジー思想やトランスパーソナル心理学、キングクリムゾンのギタリストであるロバート・フリップら欧米の表現者達への、様々な方面や人物に多大な影響を与えた人物です。
この御大を調べれば調べるほど、尋常ならざる側面が現れ、その度に驚嘆の念を禁じ得ない御方であることを思い知らされました。そして、その生涯を通した取り組みに自然と敬意を表するようになっていきました。
日本人として普通の人生を送っているのであれば、まず敬意を表する人物として挙がる事はないであろう、G・Iグルジェフという人物と僕との「出会い」について語らせてください。
グルジェフと僕との「出会い」
それは今から12年ほど前の事でした。ノートPCでネットサーフィンをしている時に、ふと怪しい雰囲気の強いサイトに出くわしました。その名も「ヘブライの館」。
当時の私は、世の中に溢れている情報や知識を探求するだけでは、自分の中にある拭いきれない違和感を解消することができないと思っていて(今でも若干そう思ってます)、大袈裟に言うなれば「大いなる秘密」がきっとどこかにあるに違いないと、無節操に躍起になっていた時期でした。その一環で、都市伝説的なフレーズでネットサーフィンをしていたんですね。
「ヘブライの館」というその名の通り、ユダヤ関係の情報が多い都市伝説的な色彩を帯びたサイトなのですが、サイト内がビルのような構造になっておりまして、地上7階、地下7階と区分けされているんですね。そのサイトのデザインや内容の怪しさ、幻想と狂気の世界に魅了されて、一時期貪るように見入っていました。
そうして様々な地上階の情報を見て、幻想と狂気に満ちた地下階を辿って行った先にあったのが、グルジェフに関する情報でした。そこから、グルジェフの著書(全3冊)などを購入して、自分なりに彼の教えを探求していくこととなります。
次の項では、グルジェフ御大に敬意を表するに至ったポイントを2つに絞って書いていきます。
彼に敬意を表するポイントを書くにあたって、全てを正確に伝えようとすると、どうしても彼の人生や価値観を説明しなければならなくなります。そうなるとあまりにも長くなり過ぎてしまうので、それらを所々省略しながら書いていきます。
敬意を表するポイントその1:自身の活動はビジネスによって得た利益によって賄った
彼の生涯を通じた主な活動は、秘密の知識の探求や精神的な師としてのものであり、やや乱暴かつわかりやすく言うなれば、「教祖」にあたる人物です。通常、これらにカテゴライズされる人物は、活動するにあたり下の人物から活動費を巻き上げたり、誰かしらパトロンがついているものですが、グルジェフは違いました。
なんと彼はビジネスにも才覚があり、ビジネスによって得られた莫大な利益によって、土地代や弟子達の食費等の活動費を賄っておりました。やろうと思えば、彼はただビジネスに邁進し、得られた利益によって悠々自適な生活を送れたはずなのにです。逃げようと思えば、いつでも「楽な方向に」逃げることができました。しかし、それをやりませんでした。
私腹を肥やす事や、楽な方向に逃げる事に興味はなく、得られた利益を弟子達の内的(精神的)変容を促すことのみに注力しました。並の人間にできる事ではありません。
その2:「大いなる秘密」の知識を、あくまでも「創始者」としてではなく、「紹介」する形で伝えた事
グルジェフは精神的な師として活動を開始したのは1910年代の事でした。それ以前は、コーカサス地方を起点とし、西はインド、南はアフリカの果てまでと縦横無尽に仲間と共に「大いなる秘密」を求め旅をしていました。
旅をする過程で、各地の師を訪ねて回り、秘密の知識を吸収していきます。これによって得られた知識は、グルジェフが情報をヨーロッパにおいて公開するまで世に知られていないものばかりでした。
つまり、やろうと思えばその知識全てをグルジェフ発祥とする事ができ、「手柄」を自らの手中に収める事が可能でした。しかし、それをしませんでした。何故なのでしょうか?
その理由は、彼はただ、人々に内的な変容を促したい一心だったからです。自分の名誉などに興味がありませんでした。
自らの目的達成のために、「私」を捨てました。容易に真似出来ない芸当です。
最後に
如何でしたでしょうか?
「楽な方向に逃げない」「目的達成のために私を捨てる」。
これらグルジェフの生き様に、僕は多大な影響を受けました。
僕は当然ながらグルジェフ程の傑物ではないにせよ、「今の自分なりに出来る事をやろう!」と奮起しながら生きて来られたのは、グルジェフと以前紹介した小林よしのり先生のお陰です。
本当は、彼の人生をもっと緻密に描写しながら、敬意に至ったポイントを紹介したかったのですが、文章が長すぎると読んで貰えないと思い、短めにしました。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
それでは、今日はこの辺で。
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