スマート工場までの50年間「技術」と「システム」の歴史(イラスト図解 スマート工場のしくみ)
「イラスト図解 スマート工場のしくみ IoT、AI、RPAで変わるモノづくり」を読みました。
スマート工場というと、ロボットが自動でモノを作っている工場をイメージ。では、具体的にスマート工場とはどういう工場で、どうすれば実現できるのか理解を深めたくて本書を手に取りました。
本書は、「スマート工場のしくみ」というタイトルですが、「工場のしくみ」が「スマート」になると、どうなるか、丁寧に説明がありました。
当たり前ですが、突然、自動でモノづくりが行われるスマート工場が実現するわけではないこと。また、スマート工場とは「製造」に留まらない概念・仕組みだとわかりました。
本書、冒頭部分で「スマート工場の構築」についての文章がありました。
1970年代のBOM、MRPの到来から、2010年代のIoT、AIを活用まで、ひとつひとつ技術や仕組みを積み上げていってようやく「スマート工場」が実現するのだと思いました。
1970年代 BOM MRP
1980年代 自動化/FA
1990年代 CIM
2000年代 SCM ERP
2010年代 IoT AI
工場を「スマート」にしてきた、このような技術、仕組み、システムについて、なんとなく聞いたことはあっても、実はよくわかっていないと感じたので、調べてまとめてみました。
1.BOM
BOMとは、Bill Of Materialsを略した言葉で、日本語では「部品表」のことです。
品目情報である「PN(=Parts Number)」と、それぞれの部品が何に使われるかなどの情報「PS(=Part Structure)」の2つが記載されています。
2.MRP
MRPとは、Manufacturing Resource Planningを略した言葉で、日本語では「資材所要量計画」のことです。
生産活動に所要(必要)とする量の計画を立て、それに基づいた仕入れ・生産を行う管理手法です。
3.自動化/FA
自動化は生産工程の一部ではなく、工場における受注、設計、検査、出荷の全体に渡って総合的に自動化することを指します。
FAとは、ファクトリーオートメーションのことで、コンピュータ制御技術を用いて工場を自動化すること、または自動化に使われる機器のことをいいます。
4.CIM
CIMとは、Computer Integrated Manufacturingを略した言葉で、日本語では「コンピュータ統合生産」のことです。
製造と販売・技術情報を統合的につなぎ、一元管理し、トータルの生産性を向上するものです。
5.SCM
SCMとは、サプライチェーン・マネジメントのことです。
供給業者から最終消費者までの業界の流れを統合的に見直し、プロセス全体の効率化と最適化を実現するための経営管理手法です。
6.ERP
ERPとは、Enterprise Resources Planningを略した言葉で、日本語では「基幹系情報システム」のことです。
企業経営の基本となる資源要素(ヒト・モノ・カネ・情報)を適切に分配し有効活用する計画=考え方です。
7.IoT
IoTとは、Internet of Thingsを略した言葉で、日本語では「モノのインターネット」のことです。
モノがインターネット経由で通信することを意味します。
8.AI
AIとは、Artificial Intelligenceを略した言葉で、日本語では「人工知能」のことです。
AIは多義的な言葉ですが、学習・推論・判断といった人間の知能のもつ機能を備えたコンピューターシステムのことです。