人に世話をされるより、人の役に立っている実感が幸せにつながっている(虹色のチョーク)

小松成美著「虹色のチョーク 働く幸せを実現した町工場の奇跡」を読みました。

社員の7割が知的障がい者の”日本でいちばん大切にしたい会社”という帯にかかれた言葉が気になって、この本を手に取りました。

この本を読んでいて、人が幸せを感じるには「人から愛されること、人に褒められること、人の役にたつこと、人から必要とされること」が必要だという言葉が印象的でした。

もし愛情は感じていても、誰の役にもたっていないと感じるとき、誰からも必要とされていないと感じるとき、人は幸せだと感じられないのかもしれないと思いました。それは、知的障がいのある人も同じで、誰かに世話をされるよりも、誰かの役に立っているという実感を得られた方が喜びを感じられる様子が描かれていました。

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この先、日本では労働力不足に備えて、自動化を進め、生産性を向上させます。その結果、売上や利益は上がる。ただ、それでも、そこで働く人々が「人の役に立っている」と感じられなければ、「人に必要とされている」と感じられなければ、なんだかとても寂しい世界だなと感じました。

会社を存続させて、雇用を守っていくためにも利益をだすことはもちろん重要だと思います。ただ、それだけでなくて、目の前の人の幸せ、目の前の人のやりがいのために、人と人との関係性を柔軟に紡いでいけるような人に私もなりたいと思いました。