えりぞvs借金玉訴訟の訴状読んできた

はじめに

昨日だした記事は、「事件が終結した」から出した記事です。終結するまでは、事件についていちいちインターネットで言ったりしませんでした。それは裁判というゲームでは、当然のことだと思ってます。

ところが、インターネットは不思議なもので、訴訟を提起した!オリャ!ウリャ!みたいなノリで騒いでる人たちがいて、その割には訴状とか論旨は公開してくれないので読んできました。


訴状の趣旨

債務不存在確認請求訴訟。原告(えりぞ)は被告(借金玉)に対する本件に関する債務が存在しないことを確認する。

原告は被告から、ツイッター上で、被告が個人情報をネットに放つなどする方法もあると示唆したツイートをさして、「ヤクザじみてる」と批評したところ、被告から、「これ開示通るのワンチャンあるよな」とツイートされたものである。

然るに、開示請求制度とは、その後の訴訟を目的として行われるものであるから、これは被告が原告に名誉毀損の損害賠償請求をするつもりであると表明したという意味であろう

しかし、原告が気軽に批判的な発言をしたことは認めるが、これはヤクザ、つまり反社会的組織に属しているという意味ではなく、被告のツイートした手法に対して不当ではないかという意見を表明したに過ぎない。これは公益を目的としたものなので、名誉毀損には当たらない。

よって、原告には、被告から損害賠償請求されるような債務のないことを確認する。

俺の感想

細部は意訳とかあるけどこんな感じです。

債務不存在確認訴訟というので、なんとなくそんな気はしてたんですが、これ、わかりやすくいうとこの「ヤクザじみてる」というツイートでそっちから訴えられないよってお墨付きをもらう裁判です。

なので、この件で原告が勝訴(訴状の請求が認容される)したとしても、被告は「このツイートの件で訴えても勝てなくなる」くらいの話です。「このツイート以外にもし原告が他にアウトな発言したら」そっちでは訴えられるし、「原告が被告から何か賠償を得られるわけではありません」。

たぶん原告が勝つと思いますが(真剣に応じる必要性を感じないので。被告がバチバチにやりたければやると思いますが、もし俺が被告なら負けても支払い発生しないのか弁護士に確認して問題ないなら無視しそう)


(僕の主観では)勝っても依頼人が何も得ない裁判を、代理人弁護士が概要を説明しないことはあり得ないと思うので、原告はどうしても我慢ならず、この訴訟を戦わないと眠れないのでしょう。

もっとこう、6億とまではいわないけど、気合の入る金額とかかかってないと面白くないですね。負けても「このツイートでは損害賠償請求で訴えられません」ってだけでは。こんなの訴えるだけ無意味ちゃうの?

ところが

そういう話を昨日の記事でしてたら、今日こんなニュースが出て笑った

これは、こういうことだと思います。

「ネットの中傷を民事で訴えるのは、原告に知識と資金が必要で、そのうえ足が出ることが多い。かといって、賠償額を増大させるなど、”過払い金請求訴訟のように、ビジネスとして使用される”ことも懸念される。よって、刑事事件で厳しく取り締まることで抑止しましょう

こわいですねー。誹謗中傷してたら、いきなり懲役刑まであるっていってんだから。これは原告えりぞ氏のように、債務不存在確認訴訟をしなきゃいけない時代がくるのかもしれませんね。

そもそも誹謗中傷を実名相手にするな

続き


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