シイタケと初鰹の握りセトリという民話
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はじめに
こんなツイートが流れてきた
そんなわけないやろ。握りを出す順番は、最初からトロとか出さないとか、アナゴはラストとか、みんなが好きなマグロは中盤で出てくるとか、そういう基本こそあれど、前の握りが次の握りに干渉するとか聞いたことない。
というわけで食ってきた
椎茸はパサパサで全然美味しくなかった。椎茸とカツオのコンボは全く感じられず、これで旨味を感じるのは情報食い過ぎだと思います。全体的に寝かせ気味の半熟成寿司でシャリ小さめ、一通り食った後追加頼まないとマグロは出てこない。ウニもない。85点
海産物もさらに値上がりしてる昨今、15000円一人コースで全部のネタを一番美味しいもの仕入れるのは物理的に不可能です。絶対に妥協が必要。というかウニとマグロは捨てないと無理だと思う。実際この店は捨てている。
捨ててしまった場合、他で客を呼び寄せるストーリーが必要になる。それが椎茸とカツオなのだろう。
ラーメンって知ってる?
うまみをかけあわせる食べ物でもっともポピュラーなものはラーメンだ。昆布にかつお節、煮干しに鶏ガラのダシをあわせてうまみの相乗効果を活かしている。シイタケも当然入れている店も多いだろう。
もし、焼きシイタケと初カツオの刺し身で本当に凄いことが起こるなら、焼きシイタケにかつお節をかけて食うだけでもっと凄いことになるはずなのだ。そんなこともわからないのか・・・?
かつお節の旨味成分であるイノシン酸は、死後グリコーゲンが分解されて増加するものであり、刺し身で食えるようなカツオよりもかつお節のほうがはるかにイノシン酸の量が多い。だから、ただの焼きシイタケにカツオ節をかけて食うほうがもっと凄いことがおこるはずだ。
こんなでたらめなストーリー、そんなわけがないと俺は食う前から言ったが、文句を言うのはちゃんと食べてからでないと不誠実なので食べてきた。ひょっとしたら、何か特別な仕事をしていて本当に凄い体験ができるかもしれないという期待もあった。それは裏切られたが。
民話は民話でしかない
漁港近くの寿司は銀座の高級寿司より旨い。
あそこの寿司で出すシイタケとカツオのコンボはうまみが爆発して凄いことになる。
こういうのは民話に過ぎない。もし本当に漁港寿司が銀座よりも美味いのであれば、食通は漁港に通うようになってそこが栄えるだろうし、本当にシイタケとカツオでうまみ爆発が起こるなら、どこの居酒屋にでも「シイタケカツオ」というメニューが置かれるはずで、シイタケかつお節ラーメンが一世を風靡してるはずなのだ。
バカをバカと見抜ける人でないと、インターネットを使いこなすのは難しい。
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