死者の選択
「死人に口なし」と言われます。どれだけ過酷な死を強いられても、死者はそれを告発することが適いません。場合によっては、何もかもがなかったことにされてしまいます。
それならまだしも、場合によっては、自らの死を、自らを陥れた者たちにとって都合の良い物語へと編み直され、悪用されてしまうことも少なくありません。
しかしながら、この国に連なる死者には、今一つの選択肢が用意されています。祟ることです。自ら出て示す。
私は、「英霊」とされる方々は、後者を選択して然るべきではないかと、常々考えています。