見出し画像

小樽・札幌ゲーセン物語展 Web版3「雑誌・書籍」

■ ゲーム雑誌

80年代後半からリリースされるゲームタイトルが増え、プレイヤーの新作情報へのニーズが高まっていく。
また、より複雑性を増すゲーム内容から攻略情報を求める声も多くなった。
そういった要望に応えるため、ゲーム情報誌が創刊される。
家庭用ゲームと比べて数は少ないが、アーケードゲームを扱う雑誌はいくつか存在した。
全国のゲーセンで出されたハイスコアも掲載され、スコアラーと呼ばれるプレイヤー達のモチベーションに繋がった。


■ マイコンBASICマガジン

1982年創刊。電波新聞社から刊行。読者投稿のプログラムを掲載する雑誌としてスタート。「ベーマガ」という略称で呼ばれることが多かった。
1983年11月号から主にアーケードゲームの情報を掲載する「スーパーソフトマガジン」が別冊付録として刊行。刊行開始時期にナムコ開発室の協力の元で掲載されたゼビウスの記事は多くのプレイヤーの注目を集めた。
1985年1月号からパソコン・家庭用ゲームのも含めた情報を掲載するようになり、ベーマガ本誌の巻末に統合される。
全国のゲームセンターで出されたハイスコアランキングを掲載する「チャレンジ!ハイスコア」というコーナーは各地のスコアラーの注目を集め、全国一位のスコアを獲得したプレイヤー名は誌面に掲載され、ひとつのステイタスとなった。
ゲームミュージックについての記事にも力を入れており、楽譜が掲載されることも多かった。
2003年5月号で休刊となったが、その後も何回かイベントが開催され、当時のライター・編集者が登壇している。


■ ゲーメスト

1986年創刊。新声社から刊行。当時、大手のビデオゲームサークルであった「VG2」の会報を商業誌ベースで発行する目的のもと隔月ペースで始まった。
ベーマガと同じく、全国のゲームセンターで出されたハイスコアの集計・掲載を「めざせハイスコア!!」というコーナーで行なっており、多くのプレイヤーが「全一(全国一位)」を目指してチャレンジしていた。
「安全地帯(安地)」(シューティングゲームで敵の弾が当たらない場所)、「めくり」(対戦格闘ゲームにおいて相手の背中側から攻撃を当てるためにぎりぎりで飛び越す)、「当て身」(対戦格闘ゲームにおいて相手の攻撃を受け止めて反撃すること)といったゲーメスト発祥の有名な俗語がいくつかある。
「ゲーメストアイランド」という読者投稿コーナーでは、読者から寄せられたアーケードゲームに関するイラストやマンガのほか、プレイ内容やマナーについての議論が掲載されることもあった。
誤植が多く、「インド人を右に(正:ハンドルを右に)」、「ザンギュラは(中略)スーパーラリアッ上が出せる(正:ザンギエフは~スーパーラリアットが出せる)」、「レバー+大ピンチ(正:レバー+大パンチ)」といったものは有名でプレイヤー間で語り継がれている。
1999年、新声社の倒産により廃刊。スタッフの多くはアスキー(現・エンターブレイン)に移籍し、アーケードゲーム雑誌「アルカディア」を創刊する。


■ 展示概観

画像1

画像2

※会期後半に一部入れ替え

画像3

画像4

画像5


■ ゼビウス1000万点への解法(Web版追記)

大堀康祐氏が高校生のときに「うる星あんず」というペンネームで制作したゼビウスの攻略についての同人誌。事前にナムコに連絡して許可を得たうえで制作している。約1万部を売り上げた。
本展で展示したものは大堀氏制作の初版ではなく、後にポケットモンスターを手掛ける田尻智氏が大堀氏の依頼を受けて自ら制作した同人誌ゲームフリークの別冊として世に出された再販版である。
大堀氏は2016年にゲーム文化保存研究所を設立、所長を務めている。

画像6

画像7

画像8

画像9

画像10


■ 小樽・札幌ゲーセン物語展_Web版 バックナンバー
https://note.com/hilow_zero/m/md0bdc74a1814

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?