小樽・札幌ゲーセン物語展 Web版4「ゲームサントラ&ビデオ」
■ サウンドトラック・攻略ビデオ
初期のビデオゲームは効果音のみというものが多かったが、80年代に入ると短いながらもBGMが奏でられるようになる。
特にその頃のナムコの音楽はクオリティが高く、当時Y.M.Oに所属していた細野晴臣から注目され、細野氏プロデュースによる日本初のゲームミュージックアルバム『ビデオ・ゲーム・ミュージック』が1984年4月にリリースされる。
その後、他のメーカーもハイクオリティな音楽をゲーム内で流すようになっていく。
音源チップの性能も向上し、サンプリングした音声やドラム、ギターを鳴らすことができるようになったうえに、歌声を同時再生することで「歌うゲームミュージック」も登場する。
そうしたゲームミュージックを単独で聴きたいという需要が高まり、「G.M.O.」や「サイトロン」といったゲームミュージック専門レーベルが立ち上がったほか、各レコード会社がゲームミュージックのレコード、カセットテープ、CDをリリースするようになっていく。
インターネットが今ほど普及していなかった80~90年代、攻略においてリアルタイム性が問われることが多かったアーケードゲームは、文字情報だけでは理解が難しい側面があった。
それを補うために制作されたのが、ゲーム攻略ビデオだった。
動画として提供される攻略情報はプレイヤーにとっては理解しやすく、ゲーセンに行って上手いプレイヤーのプレイを後ろから見なくても、自宅で攻略情報に触れられるというメリットもあった。
メディアの進化に合わせて、VHSビデオからDVDと変化していき、現在ではプレイヤー自らが個人でネット配信できるようにもなっている。
■ サウンドクリエイターによるバンド結成
80年代終盤から90年代にかけて、各ゲームメーカーのサウンド担当スタッフがバンドを結成。ゲームミュージックのアレンジバージョンをサントラ用に新録したり、ライブで生演奏をするようになった。
S.S.T.BAND(セガ)、ZUNTATA(タイトー)、コナミ矩形波倶楽部(コナミ)、アルフ・ライラ・ワ・ライラ(カプコン)、GAMADELIC(データイースト)、SNK新世界楽曲雑技団(SNK)といったチーム・バンドが存在した。ZUNTATAは現在も活動を継続。S.S.T.BANDはBlind Spotと名前を変えて再結成している。
■ ゲームミュージック楽譜(Web版追記)
1980年代中期から楽譜入力やMML(Music Macro Language ※音楽演奏させるための言語)を使ってパソコンで音楽を演奏させることができるようになった。
それをふまえて、ゲーム雑誌やゲームサントラの付録としてゲームミュージックの楽譜が掲載されることがあった。
一部のパソコンはアーケードゲーム基板に搭載されたものと同じFM音源チップを積んでおり、音色も含めてゲームミュージックの完全再現を目指す者もいた。
■ 展示概観
※会期後半に一部入れ替え
■ 小樽・札幌ゲーセン物語展_Web版 バックナンバー
https://note.com/hilow_zero/m/md0bdc74a1814
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