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弱いひとへ 3

 そうして言葉ひとつで左右されるならば、弱いひとは、やはり弱さを張りつめていなければいけないだろう。それらが読書だけではなく、いわゆる氾濫した言葉たちに対して存分に発揮される場合には尚更。
 あらゆる流言が。愚痴が。書き込まれている。それを笑うか。あざ笑うか。見捨てるのか。それとも是認するのか。いや、そもそもないがしろのものなのだから、ないものとして扱うべきなのか。
 どのみちそれら不服や満足の言葉たちは、どのような言葉も、書き込まれるか、書き込まれないかの違いで、それはこの世にある言葉だということを、まずは是認しなければならないとも思う。
 よってつねにそれらの問題には直接的であってはならない。かといって、まるで不干渉であってもならない。少なくとも−−もしかしたら−−例えば文学と言われるようなものにおいては。



舎人風景 5

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