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x/h-断片
言葉 1
傷を癒すものは時間であるとは、一般的な処世術としても、週刊誌掲載の格言としても、そして家庭の医学的にもそれはある種の常識の戒めであり、また誰かを諭すための特効性のある諫言のひとつであるけれども、果たしてそれはそうだとしても、それだけだろうか。
時間と忘却が肝心なのではない。その仮定したときの、この種の問題について、きっとわれわれが欲しいと願っているのは、予防薬でも鎮痛剤でもないのだ。もちろん、それらは適宜必要なものではあるが--それよりも、ひとは、不意の精神的な事故が避けられないものだ、ということに対する、怒りでも、悟りでも、抗体でもない、余裕にも似た、できごとを受け止めるためにできごと受け流すための、身のふりようの手前の知識ではないだろうかと、そんなことをふと思い、大手を振ってみる。
教則本もない、その強さとはなんだろう。
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