②貴方への好きを辞めてから3ヶ月が経った

会社の忘年会。

この日、私とあの人は急展開をみせることになった。

少し遠くへ行く忘年会は毎年ホテルに泊まるのが鉄板だ。部屋わけされた表を元にホテルに泊まるのだが私はそれが嫌だった。

上司に内緒で1部屋、自費で取った。

まさか私もこの選択が今後を大きく変える

ことになるとは思わなかった。

部屋で1人で横になっているとあの人から電話がかかってきた。「どうして勝手なことするの」少しの叱り口調で私に言う。「言っても何も変えれなかったでしょ…!」と私も負けじと言い返す
100パーセント私が悪いのにだ。

私が集団行動が苦手なことをあの人は知っている。
実際この忘年会も私は抜け出して周辺を歩いていた。そんな私を探そうと出てくるあの人。

私はそれが好きだった。

私が1人になりたくて抜け出して1人になれる場所を確保すると、あの人はいつも私を探して見つけ出してくれる。

隣に座り、笑ってくれる。
私はそんな時間が好きだった。

忘年会が終わり、ホテルに戻り、深夜2時頃二次会終わったかなと思い私が電話するとあの人が電話に出た。だいぶ酔ってるあの人に「そっち行っていい?」と言うと部屋番号を教えてくれたから
ラッキーと思いながら部屋に行くと違う男性たちも酔いつぶれて起きている人もいれば寝ている人もいた部屋は暗くて、あの人のベットは1番隅っこだった。

「お腹空いた!」部屋にころがっているまだ開けていないカップラーメンを勝手に開けてお湯を入れて食べる。あの人にも口に運んで食べさせる。

私はあの人の布団に入り込んだ
あの人のことを思いっきりぎゅーっと抱きしめた。ビール太りをしている大きなお腹さえもしっかりした肩幅もとても好きだった。

あの人が私を抱きしめる力が強くなった。
私は皆が寝たのを確認して、キスをした。
そして自分の部屋番号を伝えた
かすかに頷いたあの人を見たから私は静かに部屋を出た。

コンコンとノックする音が聞こえて私はドアを開ける。あの人とベットに潜り込む。
あの人は言った。「俺、付き合う人としか、しないんだよね。」ビックリするくらい困ってなよなよしているあの人の顔をみたら、笑えてきちゃって、ああ、この人はなんて愛おしいんだと思った。

私の人生をこの人に全てあげたい

「ねぇ、私は付き合いたいよ。」

「でも立場が。」

私はあの人の顔をぐいっとこちら側に寄せる

「ほらそうやって言うでしょ?!私分かってるよ。
だから仕事を辞める時、私また貴方に告白するから。付き合ってくださいって言うからその時に判断して!」

「あ…でも、」

「でも?」

「今日これから起こること全部なかったことにしないで、覚えていて」

とお願いした。

うんうんと必死に頷くあの人。

そして、あの人が私にキスをした。

どうしようもなく凄く幸せな時間だった。

私の部屋から見える夜景はすごく綺麗だった。
あの日見たもの感じたもの全て、私は一生忘れることはないと思う。

苦しかった夜が沢山あった。
貴方に好きだと言いたくて帰りのタクシーで泣いた夜もあった。あの人のために好きを辞める決断をしたことがあった。何度も何度も泣いた。

隣で横になるあの人を見つめて思う。
いつまでもこのままでいたい。
私がこの人を幸せにしたい。

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