侍ジャパンからSAMURAI JAPAN ー「日本野球」の彼方へ

 このくにには「野球」があり、Base Ballと同じルールでであるが「日本野球」あるとされてきた。
 これは、和魂洋才とか大和魂とかと同じ近代の産物であり、高校野球精神とか、日本式とかという規範を内包している。
だから、アメリカ中心のBase Ball Business WBCベースポールクラッシックでは2012年から「日本野球」としてSAMURAI JAPAN侍ジャパンを名乗ってきた。
 参加国はBase Ball Business WBCのメンバーの資格(限定的ではあるがルーツがあれば良い)を活用しており、イタリア代表に至ってはアメリカ国籍のイタリア系のメジャーリーガーが代表の大半を占めることになった。
 SAMURAI JAPAN侍ジャパンでも母親が日本国籍であるアメリカ国籍のラーズ・ヌートバー選手が初めてメンバー入りした。
 もちろん、ヌートバー選手がSAMURAI JAPAN侍ジャパンに融和し同化する物語が語られ「日本野球」や大和魂を体得した日本人として称賛されている。

 が、そうなのか。
 今大会のチームは侍ジャパンではなく、SAMURAI JAPANになりつつあるようにように思える。
 もちろん、大勢は「日本野球」の発露として語られているが、代表チームは「日本野球」とは違うSAMURAI JAPANを醸成しつつある。
 ヌートバー選手をたっちゃんTシャツで迎え、コミ障気味の剛腕ピッチャーのために懇親会を開き、アメリカ文化の典型のようなペッパーミルパフォーマンスを全員でする。
 そして、アマチュアのチェコ代表選手を同じ野球を愛するものとしてリスペクトすると表明する。
 大きくは侍ジャパン・「日本野球」の物語が語られるが、チームが作り出す新しいものがたり(民話)は、見るものの共感とSNSで「日本野球」の物語を変えていくかもしれない。
 もちろん、いうまでもないが、既にプレイでも「日本野球」のレベルを超えている。

Cultural Action for Freedom!Freedom!


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