雲は 白き。紫。黒きも
をかし。風ふくをりの雨雲。
明け離るるほどの黒き雲の、
やうやう消えて、白うなり
ゆくも、いとをかし。
「朝に去る色」とかや、詩
にも作りたなる。
月のいと明かき面に、
薄き雲、あはれなり。
清少納言
白い雲が宜しいとされる中、紫や黒い雲もまた趣を感じさせます。風が強く吹く時の雨雲も見事なものです。
夜明けの頃、漆黒の雲が次第に消え、空が白く染まる様は美しいと言えます。これを「朝に去る色」と表現され、その存在はまるで芸術のようです。
月が明るい空に淡い雲がかかる光景も、情緒豊かです。
平安才女・清少納言の柔らかな感性が心に沁みますが、夜明けを表現した作家の言葉を拾ってみました。
「夜明けはいつも、暗闇の最後のため息のようなものだ。」
ウィリアム・フォークナー
「夜明けは心臓に触れる。それは常に奇跡的な瞬間だ。」
パウロ・コエーリョ
「夜明けは、夜の闇を包み込むやわらかな希望の光だ。」
ハーマン・ヘッセ
「夜明けは、過去の暗闇から逃れるための喜びの瞬間だ。」
ジョージ・エリオット
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