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serial❿ 目からウロコの九星気学

天地を自在に操る妖術・忍術

今回は九星気学のポイントについて、お話させていただきます。九星気学は知らなくても、一白水星や五黄土星など、星の名前は耳にされたことがあると思います。

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九星気学は九つの宮と、九つの星の相関関係で、運気の吉凶や強弱、盛衰を予見する占法です。一白水星から九紫火星までの大まかな性格は、serial❻の「五行論」を参照してくださいますように。

未来を予言する占いの書「奇門方術」が、中国から渡来したのは西暦602年のことでした。遁甲とは耳慣れない言葉ですが、広辞苑によると、「人目を紛らわして体を隠す妖術・忍術とあります。

遁甲方術を操った中国三国志時代の軍師・諸葛孔明などが、天文や気象、地理に精通し、天変地異まで予測した作戦は、敵の目には天地を自在に操る妖術として恐れられたのです。

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日本に伝えられた当初は、陰陽師や貴族など特権階級の人たちのみが使用していた、ミステリアスな占術でしたが、明治時代の終わりに園田真次郎という先達が、九星気学として集大成した、れっきとしたメイドイン・ジャパに進化した占術です。

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太陰太陽暦をもとにした天体学

八卦が配当された九つの宮と、その宮を定められたコースで進む九つの星との、相生・相剋・比和の関係で、年・月・日・時間の運気をみる占法です。

日常的に自分や家族、周囲の人たちの運気の傾向を予知することができます。古来より「気学は方位なり」と呼ばれ、人の運勢に大きな影響をおよぼす方位をみる占法として重用されてきましたが、家相の吉凶判断にも用いられます。

九星気学は二十節気を用いた、「太陰太陽暦」を下敷きにした天体学でもあり、すべてが理論的で数理的です。一白水星から九紫火星まで、九つの星にはその一つひとつに特性が備わっていますが、それを「象意」(しょうい)と呼びます。

それらが公式となって数字と計算で割り出されます。天体は緻密な計算の上で成り立っていますから、九星気学は奥が深く、理論をも超越した神秘的な学問だ言えます。

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ひとの運気を、自然の循環サイクルと照らし合わせて、探索するのが九星気学です。易の八卦(乾・兌・離・震・巽・坎・艮・坤)が、九つの宮に配当された「後天定位盤」(気学盤)を用います。

易の八卦については、serial の、「易の八卦」を参照してください。

生涯続く九宮行脚

人が生まれたときに、気学盤の中央に入っていた星が、その人の本命星になります。星には一白水星、二黒土星、三碧木星、四緑木星、五黄土星、六白金星、七赤金星、八白土星、九紫火星があって、それぞれの星は五行の陰陽を内包しています。

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気学盤に配当された九つの宮は、「場の気」として微動だにしませんが、本命星は誕生した瞬間から、1年、1ヵ月、1日、2時間ごとに、法則に基づいたルートに沿って九宮の旅を続ける宿命を負っています。(これを九星の飛泊、または遁甲といいます)

九宮を巡回するルートは、四季の移ろいのように、秩序だったものではありません。

後天定位盤の中央に位置する中宮から出発して、北西の乾宮へ一歩踏み出し、西の兌宮、北東の艮宮、南の離宮、北の坎宮、南西の坤宮、東の震宮、南東の巽宮の順に飛泊し、再び中宮に戻って、同じ経路で生涯、九宮行脚を続けることになります。

宇宙は大きな人体、人の身体は小さな宇宙

九星、九宮はともに、ひとの気や質を表したもので、手で触れたり、目で見て確認できる物質ではありません。気学盤は大地の方位だけでなく、ひとの身体や季節や時間の流れなど、宇宙の継起循環を写し取った壮大なチャートになります。

東洋運勢学のルーツは「易経」にあります。易経は古代中国文明の世界観や道徳、政治、文化の権威のシンボルとして3000年以上の歳月が経過しましたが、易経の思想を素っ気ないほどシンプルに要約したのが、「易の三義」です。

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宇宙の万物は絶え間なく変化する(変易)が、そこには一定不変の法則が貫いている(不易)、その法則とは、陰と陽の対立・転化という、簡単明瞭な形で表される(易簡)というものです。簡単明瞭な形というのは、韓国の国旗でも用いられている東洋運命間の象徴、「太極図」のことです。  

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現存する宇宙は、およそ150億年前に大爆発(ビッグバン)が起こり、その爆発の余波で膨張を続ける途上にあるとされています。易経では「天地は大きな人体、人体は小さな天地」との考えから、ひとの身体も宇宙とみなされ、先述した易経三義が適応されたのです。

ひとのライフサイクルにもある、通過儀礼(イニシエーション)

地球上の生きとし生けるものの全てが、体内時計もしくは生物時計と呼ばれている、生体バイオリズムをもち、自然循環のリズムに順応することで、エネルギーの代謝をはじめ、整理調整メカニズムを機能させながら、生かされているのです。

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ひとが覚醒と睡眠、労働と休息を繰り返しながら生きているのは、陰陽の循環という生物の基本的なリズムに、身をゆだねている何よりの証明です。一日の終わりには体温や血圧を下げて眠りにつき、夜が明けるころには血圧や体温を上昇させて、その日の活動に備えます。
潮が満ちる時には子どもが生まれ、引き潮のときには、お年寄りが息を引き取るという兆しがあるように、月の満ち欠けによる引力も、ひとのエネルギーの消長に大きな影響をおよぼしているのです。
一年がめぐる循環過程にも、春夏秋冬や二十節気の歳時記が配当されているように、ひとのライフサイクルにも、七五三や十三参り、成人式や厄年、還暦」、古希、傘寿など、幼児期から青年期、壮年から熟年へと、年輪を重ねるごとに通過儀礼(イニシエーション)を迎えます。

これらの風習や年齢に対するこだわりは、それぞれの季節(年齢)にふさわしい、ライフスタイルの切り替えを促す、警鐘や警告ともいえます。気力・体力の衰えに逆らって、いたずらに自然循環の流れに棹をさせば、心と身体にきしみや、ほころびが生じることを示唆しているのです。

二回にわたってお話した四柱推命で、運気の流れや個人の気質を知ったうえで、短期決戦で活用できるのが気学の知恵なのです。


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