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serial❼ 五行の相生・相剋・比和

五行の相互扶助、対立、調和の関係

東洋運勢学には四柱推命や九星気学など、さまざまな占術が伝えられていますが、占う方法に違いはあっても、実占の最大のポイントは陰陽五行の相生、相剋、比和の関係をみることに要約されます。

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 木火土金水(もっかどごんすい)の五行が、それぞれの働きを扶ける作用を「相生」(そうじょう)と呼び、相反発して変化を生む作用を「相剋」(そうこく)、兄弟姉妹・同僚などが力を合わせる関係を「比和」(ひわ)と呼ぶのです。

相生は木は火を生じ、火は土を生じ、土は金を生じ、金は水を生じ、水は木を生じる循環の関係になります。相剋は木は土を剋し、土は水を剋し、水は火を剋し、火は金を剋し、金は木を剋す関係になります。

相生、相剋とも、「気」は一方向にしか流れないことを銘記すべきです。

相剋を代表するチャート「五芒星」(ごぼうせい)

五芒星は平安時代の陰陽師、安倍晴明(あべのせいめい)ゆかりの晴明神社の紋章であることから、晴明紋、桔梗紋とも呼ばれています。すべての敵を倒すという意味から、帝国陸軍のエンブレムにも採用されました。

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戦国時代の旗印や鎧が、五色で彩られたのも五行の相剋に由来しています。米国国防総省や、戊辰戦争で新選組の土方歳三が戦った、函館の五稜郭も五角形ですね。

五芒星が黄金分割によって構成されているのを知ったのは、古代ギリシアの哲学者で数学者でもあった、ピタゴラスです。ピタゴラス学派は、五芒星をペンタグラムと呼んで、霊力や啓示のシンボルマークにしていたようです。

助けられるから楽、やっつけられるからしんどい、兄弟同士だから気持ちが安らぐといった、短絡的な思考だけは鑑定を誤る恐れがあります。相生には助けるのか(退気)、助けられるのか(生気)、相剋にも、剋されるのか(死気)、剋すのか(殺気)の違いで、状況は様変わりします。


命式の組み立てにもよりますが、兄弟姉妹が多すぎた場合は迷惑をかけたり、損害を被ったりすることもありますし、親の死後には財産をめぐって骨肉の争いに発展することもあります。

アクの強さは際立った個性

五行が過不足なく配当されている命式を「五行周流」と呼び、運気の流れが順調と見ますが、わたしの実占経験では70%におよぶ人たちの命式に偏りが見られます。ことばを変えれば個性の強い人たちです。

五行周流は5つの歯車がすべて揃っていて、滑らかに回転しますが、ギアが欠けていると回転は不規則で、ギクシャクした不測の事態を招きます。でも、凹みやトゲがないと摩擦が生まれません。

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ジャンボジェット機が空を飛べるのは、空気抵抗があるからで、大型船舶が波をきって進めるのも、水の抵抗があるからです。五行の過不足は実社会を生き抜くための抵抗力だと捕えれば、運気を切り開く大きなエネルギーになるのです。

九星気学で実際の気の流れを観ていきましょう

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相剋の関係

木気である三碧木星と四緑木星は、金気の六白金星や七赤金星から剋されます。(金剋木) 成長した樹木が斧やのチェーンソーで伐採される様子が連想されます。伐採されることによって、建築や家具の資材として社会に役立つのです。
枝葉を切り落とすことは、無造作に広げた人脈や情報ネットワークを整理する、剪定につながります。運勢学の基本的なポリシーは、人として生まれたからには、誰もが社会に役立つ使命を負っていることです。いくら立派に育った木であっても、そのまま突っ立ているだけでは社会に役立つ資材にはならないのです。
次に火剋金のケースを見ていきましょう。九星気学では火は九紫火星、金は六白金星と七赤金星になりますが、最初に九紫火星と六白金星の関係を見てみましょう。
六白金星は土よりも比重の重い、岩盤や鉄鉱石などの鉱物資源にもなります。九紫火星は太陽ですから、その表面温度は6000度もあり、鉄鉱石の還元温度900度をはるかに超えています。九紫火星は溶鉱炉の熱となって、六白金星の鉄の原石を溶かして、自動車の薄板や建築の鉄骨などに加工されて、産業の財に生まれ変わるのです。
同じ金気でも七赤金星の場合はどうでしょうか。七赤金星の代表は貴金属ですが、金の融点は低いため、溶鉱炉の熱では原形をとどめなくなります。九紫火星は太陽であると同時に月の灯りでもありますから、スポットライト(照明)とみることもできます。
精巧にカットされた、数カラットもあるダイヤモンドでも、暗闇の中では単なる炭素のかたまりにすぎませんが、ライトを当てることでキラキラと輝くことができるのです。

相生の関係

視点を変えて相生のケースを見てみましょう。最初に水生木ですが、水は一白水星で木は三碧木星と、四緑木星です。木の成長に水は絶対に欠かせないものですが、供給量によって状況は様変わりします。
「木は水の立ち姿」と言われるほど、大量の水を吸い上げますが一定量を超えると、根腐れを起こして倒れる恐れもあります。過保護で育った子どもが、成人しても自立できずに悩むケースに似ています。
木は九紫火星を相生します。九紫火星は燃える炎でもありますから、木は文字通り薪になります。スターの星である九紫火星が、人気を維持し続けるためには、エネルギーの供給源である木があることが、不可欠になります。

相生も気は一方向にしか流れません。相生される側を生気、相生する側を退気と呼びます。扶ける側と、扶けられる側とでは立場は大きく異なります。

扶けられるばかりだと何ごとも人頼みする、依頼新の強い甘えん坊になりますが、扶ける側になると人のために尽くす、「陰徳を積む」ことになります。運勢学的には扶けられるよりも、扶ける方を吉とします。

ウイズコロナの時代を生き残るためにも、自らが試練に打ち克つ「相剋」の気を持つのか、社会的弱者の才能を引き出す、縁の下の力持ち的生き方を選択するのか、それぞれの人生を見つめなおすチャンスだと思います。


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