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占いの種類について
洋の東西を問わず、占いのスキル(占術)は多種多様ですが、「易の五術」と呼ばれる、命・卜・相・医・山の、五つのカテゴリーに分類されます。
易の五術 「命・卜・相・医・山」
命(めい)とは 人が誕生時から与えられた先天的運命や、宿命を占うものです。東洋では四柱推命、紫微斗数推命、遁甲推命、六壬推命、河洛推命などのほかに、東洋占星術の宿曜経、算命学、九星気学などがあります。
西洋ではホロスコープ、数秘術、カバラなどが命にあたります。
卜(ぼく)とは 人が何かを決断するときに、吉凶禍福を占います。古代日本では「太占」(ふとまに)、奈良時代には「亀卜」(きぼく)が主流でしたが、周易、梅花心易、奇門遁甲、太乙神数などは、現代にも受け継がれています。
現在使われている「占」の字は、卜の下に口がついていますが、口は占う前に天に祝詞をあげ、それを収納する箱を表しています。
卜の結果で知るのが兆し(オーメン)で、予兆、前兆、吉兆、凶兆などです。「虫の知らせ」にも通じますが、「験」(げん)をかつぐもとにもなります。「験」は加持祈祷の効き目や縁起を表すことばでもあります。
西洋では、タロット占い、ルーン占い、水晶占いなどがあります。コインの裏表で占う「コイン占い」も、卜の一種になります。
ルーン占いは、1世紀ごろからゲルマン人によって、ライティング・システムとして実際に用いられていた、24のルーン文字で占う占術です。
相(そう)とは 目に見えるものの姿、形を通して、対象となる人に及ぼす影響や、今後の運勢などを見る占術で、「観相学」ともいいます。
手相占い、人相占い、骨相占い、風水、家相、墓相、地相、印相、姓名判断、フロイトの「夢占い」などがあります。ヨーロッパでは手相は、臨床医学の一端として使用されています。
手相は源氏物語の「桐壺の章」で、プレイボーイの光源氏が、朝鮮半島から渡来した観相家を訪ねるくだりがありますが、平安時代の貴族の間で大流行したようです。
西洋では、ヴァーストゥ・シャーストラがあります。
ヴァーストゥ・シャーストラは、現代の建築環境工学、都市工学などに相当する分野です。インドでは寺院や住まいの立地や間取り、インテリアの配置などを決めるために、伝統的に用いられてきた占法です。日本では「インド風水」と呼ばれています。
医(い)とは 文字どおり病気の治療や体質改善を行うもので、予防医学的な要素も含まれています。
鍼灸、漢方薬、方剤、中医学全般が含まれます。
山(ざん)とは 肉体と精神の修練によって心身を強化し、人間完成を目指す修養法です。健康管理を行う修行で、昔をこれを極めたひとを「仙人」と呼びました。
現代では呼吸法やヨーガ、整体、気功、太極拳、中国武術のカンフー、比叡山の荒行「千日回峰行」など、修験道もこれに当たります。
「命(めい)・卜(ぼく)・相(そう)」に集約された現代
医学と薬学は、近代科学として最先端の技術や理論で発展を続けていますが、実験や論証のプロセス(エビデンス)をもたない占術は、非科学的な迷信やジンクスとして軽視されてきました。現代では易の五術(占いの基本的スキル)は、「命・卜・相」に集約されています。
ヨーロッパでもキリスト教が勢力を広げるにしたがって、運命学や占いが邪教として排斥されましたが、13世紀のルネサンス(文芸復興)で占いが解放され、一般庶民に間に広がりました。
物理療法や対症療法を主体にした近代医学や薬学は、人の寿命を延ばすのに効果をもたらしましたが、薬物公害(副作用)や医療ミスが後を絶ちません。
人の身体や臓器をパーツに分断して専門分野に特化した結果、全体の気の流れを診るという、医学の基本を見失ったからだと言えます。
心のメカニズムに焦点を合わせた、病院の実験成果
極端な言い方をすれば、「がん細胞はやっつけたが、患者は死んだ」というのが、木を見て森を見ない現代医学の盲点です。欧米では自然治癒力や心のメカニズム、霊性(スピリチュアル)に焦点を合わせた、代替医療や中医学へ変化しつつあります。
わたしたち占い師が扱うのは、目で見ることも、手で触ることもできないひとの「気」ですが、中医学では「気」は、肉体に宿り、また肉体を離れて存在すると考えられる精神的実態。目に見えない不思議な力と定義されています。
それを立証する興味深い実験データがあります。ニューヨーク市立病院で入院患者100人を、二つのグループに分けて、一つのグループは宗派に関係なく外部から、患者の回復を祈り続け、一方のグループはそのまま放置していました。
祈りを捧げているグループにも何も知らされていませんでしたが、3か月後には祈念したグループの治癒率が驚異的に上昇して、そうでないグループには変化は見られなかったのです。
わたしたちの身体は「気」を容れる器です。人の精神状態を表す、心のついた漢字は1200字もあります。現代使用されている当用漢字は48000字ですから、40字に一つは心がついているのです。
「病は気から」といいますが、気を活性化するだけで、ほとんどの迷い悩みを解消することが可能になるのです。
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