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目からウロコの「十二支講座」⑨

未(び) 十二支獣は羊(ひつじ)

稲穂が稔ってうま味をました「味」

万物が成熟して滋味とうま味を生じた様子。木の枝葉が生い茂り、草木が成熟した状態を表します。夏の盛りの7月で、時刻は午後1時から3時。

羊の鳴き声が「ウエイ」で、中国語の羊に似ていることから「未」が当てられました。「美」は容姿の立派な羊を表し、臓物占いの犠牲になったことから、「人の犠牲になる」意味があります。(美人薄命)

大勢が一緒になって共同生活することから、「群」の文字ができました。陽気の下り坂で、羊は陰性の動物です。天体の未の方向(南西)に、「羊星」があります。

羊が日本に渡来したのは推古天皇7年(西暦600)

羊のヒはひげ、ツは角、ジは牛の意で、ウシ科の哺乳類です。8000年以上前から家畜として飼育され、一千種以上の品種があります。性質は臆病で常に群生しています。

日本には推古天皇7年(西暦600)の秋(干支歴が伝わる3年前)に、中国からラクダ1頭、ロバ1頭と一緒に、羊2頭が贈られたという記述が、日本書紀に見られます。

それ以後も朝鮮や中国から、同じ動物が贈られましたが、それらは珍獣としてもてはやされただけで、家畜として飼育・繁殖されることはありませんでした。


羊の飼育は明治8年に、千葉県成田市で試みられましたが失敗。明治41年に札幌市の月寒で成功してから次第に広まっていきましたが、日本人の生活に羊の話題は少なく、民話やことわざの類いも殆どありません。

古代中国では神にささげる最高の供物として、牛や豚と共に羊が用いられていました。

未は卑しみて嘆く

陽気が徐々に陰りはじめる、下り坂にの位置にあるのが未の刻です。未の土(己)は日中の余熱を含んで温かく、いろんなものを吸収する柔らかな土で、次の実りを生む土でもあります。

「卑しみて嘆く」のは、自己卑下ではなく謙譲の精神です。一歩下がった位置ですべてを受け止める(自己犠牲)優しがあります。

十二支に未をもつ人の性質

長所 円満主義 従順 芯が強い 忍耐力 老練 穏やか

短所 狭量 迷いが多い 取り越し苦労 臆病 地味

未の守り本尊は、大日如来です。


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