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サステナビリティ(持続可能性)のお手本、「陰陽五行論」

異常気象もウイルス変異も、自然循環をかろんじた罰

夏至をむかえ本格的な夏の到来です。気象庁の長期予報では、例年より梅雨明けが早く、猛暑が長く続くと予想されています。五輪とパラリンピックのさなかでもあり、変異株が猛威をふるうコロナウィルスだけでなく、熱中症や集中豪雨、台風も心配されます。

ブレーキが放置されたままの地球温暖化の危険にめざめた昨今ですが、人類が環境・社会・経済の3つの観点から、持続可能な発展を目指す、サステナビリティ(sustainability)という言葉があふれています。

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古代中国では3000年以上の昔から、宇宙に存在する一切のものごとは、陰と陽の組み合わせによって生まれるもので、世の中の移ろいのすべては、「木火土金水」の五元素によって推進されるという、「陰陽五行説」の思想が今に至るまで受け継がれています。

宇宙の循環の思想「陰陽説」

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陰陽説を要約すると、天体の運行や四季の移ろいから暗示を得た、「循環の思想」で、上下、左右、表裏、天地、明暗、寒暑、男女など、ものごとには相対的な関連があるというものです。西洋の二元論のように割り切った関係ではなく、陰陽はワンペアでリバーシブルであるという、素朴な対立観念から起こった二元論です。

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ニールス・ボーアやアインシュタインなど、著名な物理学者が易経に傾倒していたのも、陰陽がなくては波動の伝達は存在しないという理論が、易経の説く宇宙構造論と合致するからです。

自然現象を究明した「五行論」

陰陽二気の相対的な比較だけでは理解できない、自然現象を解き明かしたのが「五行論」です。中国の古典「春秋左氏伝」には、

ー 天五財を生じ、民ならびにこれを用う ー

と記述されていますが、五行とは日常生活の必需品、水、火、木、金、土の5つの素材を指しています。五行論には「生成の五行」(水火木金土)と、「五行相正論」(木火土金水)の2つがあります。

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生成の五行では、水は水蒸気で一番上にあって、地球の土台である金と土は一番下に、ひとを表す木は真ん中で、万物の生まれた順に配当されています。

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四季の循環を取り入れた五行相正論では、木は燃えて火になり、火が燃え尽きたあとに土になり、土が固まって岩盤になり、岩盤の下には地下水が蓄えられて、その水が木を育てるという自然現象が、エンドレスで繰り返されます。

目視不可能な気

陰陽と同じように、五行もまた目で見たり、手で触ることができない「気」であって、物質ではありません。五行が四季に充当されて、継起循環(succession)的な性格が与えられて、陰陽論と密接にジョイントしたのは、中国の古代王朝・後漢(25~220年)の時代になってからでした。

陰陽五行論の思想は、哲学や倫理を説く経典としての役割りも併せ持つ「易経」と融合しながら、さまざまな占術を編み出してきました。地球上に生息するすべてのものは、自然の循環とバランス(共生)で生かされています。だからこそ、太古の昔から自然循環の変化に対応できない生物は、退場を余儀なくされてきたのです。

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霊長類の王さまと、虚勢を張っている人類も例外ではないことを、肝に銘じるときです。

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