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人生の転換点だからこその巡り合い

ミドルエイジ・クライシス

30年近く占い師を続けてきて、最近つくづく想うことがあります。相談者との出会いのタイミングについてです。訪れる人はマンションオフィスということもあり、通りすがりの飛び込み客は皆無です。大半がご紹介によってご縁がつながる、幸運に浴しています。

鑑定客の年齢は20代から80代に及びますが、もっとも多いのは40~50代のミドルエイジの女性です。人生100年時代では、折り返し点を迎えたばかりの年齢ですが、中年期特有の心理的危機に陥り、ウツ病や不安障害を抱える「ミドルエイジ・クライシス」に相当する世代です。


最近ではミドル世代だけでなく、ITやAI(人工知能)で仕事を奪われる恐れのある30代にまで、この症状に襲われる人が増えつつあります。一向に出口の見えないコロナ禍にあっては、なおさらのことです。


後期追い上げ型のターニングポイント

私のクライアントは少し様子が異なります。その多くが自営業者ですが、10年、20年と続けてきた事業が思うように進展しないのです。努力の積み重ねが開花しないのは、業種の選択を誤ったのか、市場ニーズから取り残されたのかと、募る不安を一気に吐き出されます。

それらのほとんどは取り越し苦労(杞憂)に過ぎません。自然界に季節の循環があるように、人のライフサイクルも生れ日を起点にして、運勢の強弱、盛衰の流れが決められています。東洋運勢学の代表的な占術・四柱推命では、人の生命活力(仮想年齢)は10年ひと節で変化していきます。


実年齢は40歳でも、仮想年齢(大運と称します)は60歳の老齢を迎えていたり、反対に60歳でも20歳の活力に恵まれているケースもあります。実年齢と仮想年齢の差が激しいほど、思うように事が運ばなくなるのです。若年時に成功する人や、晩年になってから頭角を現す人がいるのは、この仮想年齢のなせる業なのです。

天命を待って人事を尽くす

朝のこない夜はありませんが、絶望にうちひしがれる災厄も、人生ドラマの中では一過性の出来ごとにすぎません。中国には「人事を尽くして天命をまつ」という格言があります。全身全霊をつくした後のなり行きは、天の采配にゆだねるという意味ですが、私は「天命を待って人事を尽くす」方が、ご運勢学的な摂理に適っていると確信しています。

気力・体力をチャージするときと、目標に向かって駿足で行動するタイミングを計ることが、運勢操縦の秘けつになるからです。事業の停滞を焦って解決策をもとめてこられる前出のお客様たちのほとんどが、これからが運気が立ち上がる転換点に差しかかっています。

超高齢化社会の現代は、若いうちに運気を先取りするよりも、人生の後半からエンジンを駆動させる方が、有終の美を全うすることができるのです。占い師の仕事は、かけ違ったボタンを正しい位置にもどすための、アドバイザーだと自覚しています。





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