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5分でわかる、暦(こよみ)の歴史

もしカレンダーがなかったら

水や空気と同じように、カレンダーもあって当たり前で、その存在に意識を止めるひとは少数派だと思います。もし今、カレンダーが消えてしまったら、世界中が大混乱に陥ります。何年、何月、何日、何時という取り決めで、人間社会のすべてが動いているからです。

カレンダー(calender)の語源は、帳簿を意味するラテン語のcalendariumだそうですが、ローマ歴で朔日(ついたち)を意味します。

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古代ローマでは利息の支払いが朔日ごとに行われていたようです。毎月一日になると、ローマ市民は「カレンダリオ!」(高利貸が来るぞ!」と、叫びまわったと言われています。

コロナ禍の終息を、一日千秋のおもいで待ちわびている私たちは、常にも増して時の流れに切実な思いを託していると思われます。暦の移り変わりについて、つたない投稿を試みたきっかけになりました。

周知のように暦の変遷は、太陰暦⇒太陰太陽暦⇒太陽暦⇒グレゴリオ暦に大別できます。

「太陰暦」

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マホメット暦、純粋太陰暦とも呼ばれていますが、月の満ち欠けに合わせて月をたて、日を数える暦法です。月の朔望(朔1日、望15日)だけで数える1年は、354日余りで、太陽暦にくらべて約11日も短くなります。(月の満ち欠けは29、53日周期) 漁業に適していても、農業には不向きだったのです。中国、インド、ギリシア、エジプト以外の、世界中の民族が用いました。

「太陰太陽暦」

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旧暦とも呼ばれていますが、月をたて日を数えるのは太陰暦によりますが、1年の長さは太陽年に合わせた暦法です。19年間に7回の閏月(うるうつき)を設けて、太陽年との誤差を最小限に留めようとしました。中国では紀元前1000年ごろから使用されていました。

「太陽暦」

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新暦とも呼ばれていますが、太陽の運行を基準にして、年、月、日をたてた暦です。ジュリアス・シーザーが、紀元前46年に制定したことから「ユリウス暦」とも呼ばれていますが、1年の長さを365日と4分の1とし、4分の1の端数を4年に1回、閏日(うるうび)をおくことで是正しました。ローマ帝国全土に広まりましたが、実際の1年の長さは365、2422日なので、暦上の1年と実際の1年には誤差が生じていました。

「グレゴリオ暦」

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ローマ法王・グレゴリオ13世が、「1582年10月4日の翌日を10月15日として、紀元年数(西暦年号)が、4で割り切れる年を閏年(うるうとし)とし、この年数が100の倍数であるときは、400で割り切れない限り平年とする」と定めた暦法です。

日本がグレゴリオ暦に改暦したのは、条約など外交上に支障をきたし始めた、旧暦の明治5年12月3日です。グレゴリオ暦の精度は約3000年間で、1日の誤差しか生じません。しかし地球の自転速度は5億年前にくらべて、40日以上も遅くなっていることから、後世の暦学者は、グレゴリオ暦を修正する日がくるかも知れません。


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