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自分の心をうつす般若心経
エネルギーをチャージする、朝の日課
わたしは毎朝、般若心経をとなえるのが勤めになっています。仏壇には先祖や両親、早世した亡妻、そして妹二人の霊魂がひしめき、にぎやかです。小さな仏壇の上からは、父が描いた母の肖像画が、親不孝の限りを尽くした息子を、にこやかに見つめています。
わずか15分ほどの朝の日課が、40年近く続けてきた生業(なりわい)の、支えになってきました。ご存じのように「般若」(はんにゃ)には、深い知恵という意味がありますが、262文字の短い経を唱えることで、心のざわめきが鎮まっていきます。
経文のなかでも「色即是空、空即是色」は、誰もが聞いたことがありますよね。色即是空(しきそくぜくう)は、
苦楽は必ず変化する。これまでの苦労の体験や成功体験にこだわらず、心をリフレッシュして、ものごとに当たりなさい。
空即是色(くうそくぜしき)は、
つまらない妄想や考えで心を満たすよりは、もっと単純に、ものごとは良くなると信じなさい。(シンプルな陽転志向)
と、心経のエッセンスが凝縮されています。
「自分」は、宇宙の分身
ひとがこの世に生れ落ちてから死ぬまでのあいだ、永遠に問いかけているテーマがあります。「
「われわれは、どこからきたのか、そして、どこへいくのか」。
フランスの画家、ポール・ゴーギャンが遺した言葉ですが、誰もが共有している根源的な疑問だといえます。
そもそも自分とは何ものでしょうか。自分とは、自然の「自」と、分身の「分」の複合語です。宇宙を解き明かすことで、自分を知ることができることになります。
宇宙の「宇」は空間、「宙」は時間をあらわします。時間を変えることはできませんが、空間を変えることは可能です。「動くことで気が生じる」原理から、方位学(九星気学)が生まれました。住んでいる環境を見直し、変えることで宇宙を変えることができるのです。
未来は「今」にある
日本語の「モッタイナイ」を、エコロジー社会をめざす、世界共通語にひろめてくれた、ケニアの環境保護活動家、ワンガリ・マータイさんの言葉です。
未来はずっと先にあるのではありません。「未来」は「今」にあるのです。将来、実現したい何かがあるのなら、いま、そのために行動しなければなりません。
10年前に亡くなったマータイさんは、2004年にアフリカ女性として、史上初のノーベル平和賞を受賞しましたが、人類に課せられた最優先テーマ、SDGs(持続可能な開発目標)の先駆者です。
運命とは
短期の役割りを「使命」、生涯をとおした役割を「天命」と呼びます。使命と天命にもとづいて、自分がどのように命を運ぶのかを「運命」と呼びます。
「生きるは自分、活かすは他人」で、生きる力と活かす力が一緒になって生活していますが、天命を自覚しているひとが、どれだけいるでしょうか。
ひとの目は、全体と部分を同時に見ることはできません。(「木を見て森を見ない」といいますね) 長期ビジョンを描くには、マクロな視点が必要です。自分の背丈とおなじ高さで遠くを見つめても、視界に入るのは限られています。
「万有引力の法則」で有名な、イングランドの自然哲学者、アイザック・ニュートン(1642~1727)が、示唆に富んだ言葉をのこしています。
もしわたしが、他のひとより遠くを見ているとすれば、それは私が巨人の肩に立っているからだ。巨人の肩とは、偉大な先人たちが積み上げた知識を尊重し、参考にすることだ。
シンプルで含蓄に富んだことばですが、少しだけ背伸びをして、遠くの風景まで観察する洞察力を養いたいと思います。
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