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「シンクロニシティ」の生みの親

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開催が危ぶまれている東京五輪も、残すところ70日余りに迫りました。夏季五輪では33競技339種目が競われる予定ですが、華やかさで際立つのが「アースティック・スイミング」です。

もとは「シンクロナイズド・スイミング」と呼ばれていましたが、芸術性を重視することから、2017年7月にFINA(国際水泳連盟)が改名しました。

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この「シンクロニシティ」という言葉を生んだのが、スイスの精神科医で心理学者の、C・G・ユング(1875~1961)です。

ユングが提唱した概念、シンクロニシティとは「複数のできごとが、意味あるつながりをもっていること」、すなわち偶然の一致、共時性の慣用句になっています。

シンクロニシティ現象は誰もが体験していますが、わたしはしばらく消息が途絶えていた二人の人物に、「もしかしてコロナウィルスに感染しているのでは」と危惧していました。「実はコロナで入院していました」と、そのお二人から相次いで連絡がありました。

共時性とは「虫の知らせの具現化」だとも解釈しています。

ユング心理学の秘儀「個性化とマンダラ」

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易に傾倒していたユングは、臨床の場でも3枚のコインを投げて易の卦を立てていましたが、心の核心に迫る「秘儀」として確立したのが。「個性化とマンダラ」です。

マンダラはサンスクリット語で「円」を表しますが、ユングは円のなかに花のような模様を描いた絵を見せて、被験者の個性や豊かな可能性を分析する達人の技を編み出していたのです。

心理学とは「人間の感情や行動のメカニズムを、科学的に研究する学問」と定義づけされていますが、ユングの著書「個性化とマンダラ」には、次のことばが記されています。

ー 豊かであることは、心が何にでも対応できる状態にあることであって、狩りの獲物をため込むことではない。ー

易経を「ポエム」と表現したボブ・ディラン

四書五経のひとつ易経は、古代中国の哲学・思想として現代にも息づいていますが、紀元前のライフスタイルと現代とのタイムラグが大きく、若い人たちには敬遠されがちです。

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わたしの主宰する運勢学教室でも、「易経」を受講していただいているのは、受講歴10年におよぶ高齢のお二人だけです。

ネットサーフィンをしているうちに、意外な記事に出会いました。アメリカのフォーク/ロックの巨人・ボブ・ディランが、「易経は、すばらしい詩」と絶賛しているのです。

ベトナム戦争で厭戦気分が垂れ込めていた1960年代のアメリカでは、カウンターカルチャーとして、自由、戦争反対、愛と平和、人間の権利などを求める運動が広がりはじめました。そんな時に、彼らの本棚の一部を占めるようになったのが、リチャード・ウィルヘルム著の「易経」だったのです。

2016年にミュージシャンとしてはじめて、ノーベル文学賞を受賞したボブ・ディランですが、公民権運動やベトナム反戦運動をバックに、「友よ、答えは風に吹かれている」と歌った「風にふかれて」は、同時代を共有した人たちの耳に、いまもこだましていることと思います。

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すべての東洋運勢学のルーツである易経が、心理学の三大巨頭や、伝説のミュージシャンと繋がっていることに、誇りと喜びを感じています。




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