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舞台「こどもの一生」観劇してきました。

SexyZone松島聡くん主演の舞台。
東京公演が残念ながら一部中止となってしまい、大阪もどうなるかな…と心配していたのですが、無事観に行くことができました。

もともと舞台がすきで、最近ジャニーズをすきになって、という属性のわたし。
ジャニーズの方が出演する舞台を観るのは初めての経験でした。観客の雰囲気がこれまで観てきた舞台のどれともちょっと違って、ジャニーズ出演の現場ってこんな空気感なのかぁという発見でした。

松島くんをはじめ、役者さんたちが素晴らしくって、とっても良質な演劇でした。
これを書いている5月6日夜現在まだ3公演残っているので、あらすじを事細かに書いたりはしませんが、ネタバレを避けたい方はご注意くださいませ!
(追記:書いてる途中で寝落ちしてしまったので、公開は7日夜になりました…)

感想

・「役者」としての松島聡のポテンシャル

アイドルの聡ちゃんじゃなくて、役者松島聡が舞台の上にいました。脇を固める芝居巧者のみなさまに引けを取らない存在感。
もちろん、発声や滑舌、間の取り方とか、他の役者さんと比べるとちょっと見劣りする部分はあったけど、舞台の流れや空気を壊すことは全くなくって、新進気鋭の若手主演としては十分場を成立させていたと思います。経験の浅い役者にありがちな頑張りすぎの空回り感も全く感じられなかったです。
松島くん、目が大きくて表情筋が豊かなのは舞台向きだなぁ。ちょっとした動きとかセリフを言ってない時の周りの人達とのやりとりとかのお芝居のきめ細やかさは、完全舞台向きのそれでした。もともとそういうお芝居をする人だったのかもしれないけど、お稽古の中で学びながら身につけたことなのかなぁと想像しています。
あと、動きも声も3日前まで自宅療養していたとは信じられないくらいしっかりしてました。きっと家にいる間も、いろんなことを思いながら、大阪公演の開催を信じて、できる限りのトレーニングをしてたんじゃないかなぁ。勝手な想像だけど、想像するだけで泣けてきます。

・「舞台役者」のすごさ

パンフレットを見ると、松島くん以外の演者さんはみんな経験豊富な方々のようで(松島くんもデビュー11年選手だしベテランっちゃベテランやけど、役者としての経験を考えたら若手枠だよね)。
みなさん素晴らしかったけど、特に印象に残ったのは今井朋彦さん。うまかったなぁ。ザ舞台役者っていう芝居をされていて、発声も滑舌も本当に聴きやすい。田畑智子さんも間の取り方が抜群によかったです。計算なのかセンスなのかわからないけど、見ててちょうど気持ち良いところにはまる感じ。
出演者の中で唯一生の舞台を観たことがあったのが、朝夏のまぁさま。宝塚時代、お芝居できる人だって印象は実はあまりなかったのだけど、とっても素敵なコメディエンヌでした。宝塚OGにありがちなちょっとオーバー気味なセリフ回しや間の取り方(例えるならUSJのターミネーターの綾小路麗華様の感じ)が、役にハマってて、全体のいいスパイスになってました。

・世界観をつくる演出

セットの造りはシンプルなのに、どの場所なのかちゃんと想像させてくれるわかりやすさ。場面転換がスムーズで、舞台の奥行きを使ったり、大道具の並べ方を変えるだけで、別の場所に見えるのがすごいよなぁ。
ダンサーさんたちも不思議な世界観を作り出してました。本来見えないはずのものがそこにいるのに全然不自然じゃないの。感情やセリフの内容を表す動きは、ダンスっていうよりは身体表現って感じ。しなやかでダイナミックで繊細な動き。人間ってすごい。

・不思議な読後感のあるストーリー

最後、はっきりしない終わり方で、あれ、ここで終わるの? もうカーテンコール?? ってなったんだけど、もやもやした後味が残らなかったのが、自分にとってちょっと不思議な感覚でした。
多分「世の中にあるものはわかりやすい明らかなことばかりではない」っていうテーマだからなのかもなぁ。伏線を張っているのに回収していないことあれやこれやも、あえて明らかにしていないのかも。

・そのほか

松島くん、大声で話したり叫ぶシーンが結構あって、喉をつぶさないかちょっと心配(おそらく東京公演中に収録したラジオを聴いた時、声が掠れてる感じがしたのは気のせいじゃなかったんだろうなぁ…)。あと3公演、声がもちますように。

松島くんの「ザ主演!」感があまりなかったのは、あえての役作りなのか、今回の座組みがそうさせているのか。
もっと主演がぐいぐい押し出してきて、観客も巻き込まれて一緒に翻弄される感じの演出も見てみたいなぁと思いました。多分すべての役において、誰が演じるかによって、違う印象がかなり変わる舞台なんだろうと思いました。

セリフで一箇所気になるところがあって…
たしか、海荷ちゃんが「自覚症状ないの?」みたいなことを言うシーンがあったんだけど、前後の文脈を考えたら「自覚」じゃない? 「症状」いらなくない? って思った記憶。
はっきり思い出せないのでますます気になる。ストーリーじゃなくここでもやっとしてしまうなんて。シナリオで確認したい…!

・充実のパンフレット

舞台を観に行くときにいつも悩むのが、パンフレットを買うかどうか。
本棚の収納スペースがなくなってきて、買うのを一時期控えてたこともあるんだけど、「観に行ける」のが当たり前じゃないと感じる昨今、観た記憶を残したくって買ってしまうことが増えてます。
今回のパンフレット、買ってよかったです。再演を重ねた作品だからこその歴史がまとまっているのがありがたい。キャストごとのインタビューだけじゃなく、男性・女性キャストに分かれた座談会もあって、それぞれの役者さんの考え方とか芝居のアプローチとかもわかるし、何より座組の関係性がいいんだろうなぁというのが伝わってきます。
座談会では、升さんが聡ちゃんをベタ褒めしたはります。さすがの愛され力。そういうふうに思わせる人柄と姿勢なんだろうなぁ。升さんはカーテンコールの立ち居振る舞いでも、松島くんへのリスペクトを感じました。気持ちの良い若手が育っていくのを嬉しく思ってはるんやろうなぁと。
あと、紙質がよかったです。細かいことだけど個人的には重要なポイント。写真も美しく映えます。ラスト4ページは松島聡写真集だった…

まとめ

個人的にもとっても久しぶりの観劇だったのですが、この作品を観られてよかったです。
役者としての松島聡くんのこれからがほんとに楽しみ。他の役者の方々も含め、今後出演される作品もチェックしたいなぁと思います。

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