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7POWERS ベネフィットとバリア

Netflix、Adobe、Spotifyなどの戦略コンサルティングをしてきたストラテジーキャピタルの最高投資責任者であるハミルトン・ヘルマーの「7POWERS 最強企業を生む7つの戦略」

7つのパワーの解説とそれに合った企業事例で非常に読みやすく理解しやすい内容でした。ベネフィットとバリアという2つの要素で整理されているのも良かったです。

■真の戦略とは「単純だが、単純すぎない」

■パワーとは、持続的差分リターンの獲得に必要な条件の組み合わせ。パワーには、キャッシュフローを実質的に増やすものとしてのベネフィットと、ベネフィットを有する会社が競争によって差分リターンを相殺されないようにするための条件であるバリア、この両方が必要とされる。

■戦略を分ける2つの領域
スタティクス=静態
ダイナミクス=動態

■第1のパワー 規模の経済
事例、Netflix
ベネフィット=コストの削減
バリア=市場占有率の拡大を阻むコスト
膨大な契約者数によって可能になったコンテンツ関連コストの削減がもたらすベネフィットと、市場を奪おうとする側にとって費用対効果を得るのが難しいというバリア

■第2のパワー ネットワーク経済
事例、ブランチアウト
ベネフィット=高い価格設定
バリア=費用対効果の面で割に合わない

■第3のパワー カウンターポジショニング
事例、バンガード
ベネフィット=コストを下げるか、価格を高く設定できるか、または両方
バリア=従来の事業を変更することで起こるリスクを想定した上で「採用しない」と結論づける

■第4のパワー 乗換コスト
金銭的コスト、物理的コスト、心理的コスト
事例、ヒューレットパッカード
ベネフィット=競合相手の同等の製品やサービスより高めの価格を設定できる
バリア=顧客の乗換コストを負担しなければならない

■第5のパワー ブランディング
事例、ティファニー、ホルストンの凋落
ベネフィット=感情価、不確実性の減少
バリア=履歴現象とも呼ばれる長期間に渡る積み重ね自体が重要なバリアとしての役割を果たす

■第6のパワー 競合なきリソース
事例、ピクサー
ベネフィット=優れた作品、価値の高い特許優先使用権、必要資源の獲得、コスト削減のための製造方法
バリア=個人的選択、特許法、財産権、認可

■第7のパワー プロセスパワー
事例、トヨタ
ベネフィット=作業工程を改善する習性が組織内部にいる個々人に根付いている
バリア=履歴現象であり、この過程を経た進化は再現することが困難

■どんなパワーも最初は「発明」から始まっている。パワーを創出することは、「私もそうする、ではそうはなれない」

■パワー獲得のタイミングをはかる時計
離陸前、出発=カウンターポジショニング、競合なきリソース
離陸中、離陸=規模の経済、ネットワーク経済、乗換コスト
離陸後、安定=プロセスパワー、ブランディング

#7POWERS
#ハミルトンヘルマー

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