赤字でも黒字でもどうでもええ。
宮田運輸の代表取締役社長である宮田博文さんの「社長の仕事は社員を信じ切ること。それだけ。」
タイトルから心を鷲掴みにされましたが、プロローグとエピローグを読むだけでも、「心の経営」について深く考える機会となる素晴らしい本です。
宮田さんは、稲盛和夫さんの「盛和塾」全国大会で3200人の経営者の前で講演され、国内外で大きな話題となりました。
「人を評価として見るのではなく命として見る。」
「従業員はコストではない。」
「人をどう動かすかではなく、人はどんなときに動きたくなるのかと考えればうまくいくのだと気付かされました。」
経営者ならば、ほとんどの方がドキッとするのではないでしょうか。
「生産性、利益追求の経営から心の経営へ。」
「赤字でも黒字でもどうでもええ。」
利益追求による左脳的、父性的な理性の経営ではなく、右脳的、母性的な心の経営。利益追求では絶対に限界があるし、何より生まれてきてそれだけでいいのか。絶対に後悔しないのか。という問いに真正面から取り組んでいらっしゃいます。
利益追求による経営で社員が引き起こした死亡事故。そこから心の経営にシフトした結果、大きく業績も伸びた宮田運輸。
4つ決めたルール
・すべての人にいいところがあると信じること
・従業員と心と心でつながること
・従業員がいいところを発揮できないのは会社のせい
・従業員がやる気を出して頑張れる環境、機会を提供するのが経営者の役割
その実践の場としての「みらい会議」は、参加不参加自由、同業他社も他業種の方も地域の方も誰でも参加することができる会議。そんなことを実践できる会社なんてありませんよね。
こどもミュージアムとして、トラックの背面に子供の描いた絵と「無事に帰ってきてね」の文字を載せたところ、事故が大幅に減ったそうです。
ドキュメンタリー映画である「愛でいけるやん。」も話題になっています。
そして本の最後に掲載されたエピローグ。
起こした事故の遺族であるお義母様からの手紙、それに対する宮田社長や事故を起こした社員の方のその後の行動や気持ちに涙が止まりませんでした。
「誰かのためなら人は動く。」
その言葉通り、前回の第五回野鴨塾にzoomでゲスト出演いただいた際のコメントも本当に美しく透明で、参加した皆様も運営の我々も深く感動しました。
その宮田さんが登壇される第六回野鴨塾は、8月29日に開催されます。行徳先生との対談では、その「心の経営」に関する化学反応が楽しみでなりません。皆様ご都合が合えば是非ご参加ください。
詳細はこちら↓
https://peatix.com/event/2144255
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