「締切が近づいています」

最近目にした、とあるキャンペーン締切間近を知らせる文言。

この文章はよく考えるとおかしい。

時空間においては「締切」が近づいてきているのではなく、我々が締切に向かって近づいて行っているはず。

もちろん、相対的には締切が我々に向かってきているわけですが、この文章をそう読む人はさほど多くないでしょう。

不正確な日本語が生み出す誤解

こういった指摘は「揚げ足取り」や「重箱の隅をつく行為」と思われがちですが、この種の「間違った」日本語は物事を正しく理解することを妨げる原因になっているように思えます。

似たような例として「燃えないゴミ」があります。

我々が出す「燃えない」ゴミは本当に燃えない(燃焼反応しない)わけではなく、あくまでも処理施設で「燃やさない」だけです。(実際にはリサイクルできないプラスチック製品は燃料として燃やしていると思いますが)

化学の授業で燃焼を勉強をする前の子供が見たら「燃えないゴミは燃焼しない」という間違った認識を持つことでしょう。

「燃えるゴミ」を英語訳すると「combustible waste(可燃"性"のごみ、燃えやすいゴミ)」となり、若干ニュアンスが異なります。そもそも「可燃=燃える」が不正確(あるいは誤解を与えている)なのでしょう。

おわりに

とても細かい話ではありますが、こういったちょっとしたニュアンスをおろそかにした結果が、教育現場における子供たちの理解のつまづきを生み出しているように思えます。

言葉は正確に使いたいものですね。

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