地域創生の鍵。観光戦略。
先日は日本の観光戦略のブレーン、デービットアトキンソンさんの講演を聞きに京都へ。
2016年に著書、『新観光立国論』を見て地方都市で居酒屋をしている私にとって、一筋の光をそこに感じたのを鮮明に覚えています。
第二次安部政権が発足以降、成長戦略の1つとして大きく力を入れてきたのがこの観光戦略。
それまでは300万人程度だった訪日外国人を2019年までには3000万人を突破。2025年には3500万人を見込んでいます。
こと鹿児島市においても人口減少問題は深刻で年間1300人前後の人口が減っており、10年間で1.3万人の人口減が予想されています。
一人当たりの年間消費額が120万円なので、このままでは10年間で156億円の消費が減少していきます。地方都市にとっては大打撃です。
(一人当たり年間消費額120万円×人口減1300人×10年=156億円)
※ちなみに鹿児島市、北ふ頭で建設を計画しているスタジアムは135億円の建物代にターミナル移設で73億円を想定しています。現段階で208億円!インフラ整備や高架を作るやらしてたら、とんでもない金額の税金を投入することになりそうですよね( ;∀;)
話がそれましたが、鹿児島市は豊かな自然、食文化、温泉など豊富な観光資源を持つまちです。観光地としてのポテンシャルは高く、国内外からの来市目標をR8年までに400万人(日本人340万人/外国人60万人)。一人当たりの消費額を3.1万円(日本人3万円/外国人3.3万円)にしているそう。
そこに食材などの地産地消や製造、サービス全般を含めた経済波及効果を年間2200億円目標にしています。
この経済波及効果によって、コロナで大きな打撃を受け、ゼロゼロ返済に苦しんでいる飲食、観光業、交通系の事業者をはじめとする方々に必ずプラスになる取り組みだと確信しています。
また地域に新たな設備投資や、雇用促進、賃上げ、労働環境の整備などが生まれてくることを見込めます。
どうすればより持続的で魅力的な、稼げる観光都市を目指していくか?ということについては回を分けてまた書き記していきたいと思います。
これは私が所属している、鹿児島青年会議所が2018年にアジア中の青年会議所メンバーが集まるアジア会議を主管したときの天文館文化通りの様子です。世界各国のメンバーが鹿児島の食、自然、文化、温泉などを満喫していってくれました。
こんな風景が毎日続けば、鹿児島市が必ず元気になると信じています。鹿児島の未来を創るにも、『稼ぐ』ということは大きなキーワードになります。みんなで立ち上がり、鹿児島市の明るい未来を創造しましょう!
『STAND UP』
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以下デービットアトキンソン氏の講演を箇条書きにしたものを記載しておきます。
【経済フォーラム/デービットアトキンソン】
人口減少により年間420万円の社会保障費負担の時代が来る。年収と同額。破綻する。
アジアと欧米からくる人たちの滞在日数、客単価は全然違う。
3週間フランス人
3日間韓国人
滞在日数を増やして単価を上げないといけない
3割は交通宿泊費
2割は飲食費
歴史文化はあまり推奨しない。自国の歴史に興味ない人たちが、他国の歴史に興味はない。
暇つぶしを手伝うことで滞在してくれる。滞在してくれることでお金を落としてくれる。
安いか安く無いかが来るキッカケにならない。楽しいか楽しく無いか。
いくら使ってもらいたいか?を逆算して、長期滞在してもらうことを考える
2週間毎日神社、お寺に行きたい人はいない。多様性が重要。
儲かる観光戦略で大切なことは、設備投資(他言語、宿、交通インフラ、用意する)や商品開発。情報発信では無い。
日本でオーバーツーリズムは起こっていない。京都に5億人くればオーバーツーリズム。ベネチアは6万人の街に2,000万人きている。設備投資が足りていないだけ
労働環境を変えていくことで、高齢者問題、社会保障費問題を解決していく
観光戦略=輸出戦略
車産業についで観光産業は第二位の輸出産業
地方に何もないということはない。それはその人の頭の中に何もないだけ。何も考えていないだけ。価値あるものはある。
ゲストの視線でコンテンツを創れるか?
情報発信させすればいいと思っている。全然違う。世界遺産も一年だけはいいが、あとは元に戻る。何も努力していない。来てもらいたいのであれば、きちんとしたものを作りなさい。すれば勝手に口コミで広がる。
商品開発をしなさい。情報発信ではない。
ラグジュアリーインバウンドやるのであれば、海外のラグジュアリーサービスを経験してからやりなさい。日本はケチくさい。
やってあげてお金を貰ってるところを、自分でやってもらったうえで、お金を払ってもらう。考え方を変える。
観光戦略を舐めて欲しくない。真剣に考えて。工夫次第。
ストーリー、考え方、整備。
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