見出し画像

明治安田生命J1リーグ第16節名古屋グランパス戦 雑感

強敵・堅守の名古屋グランパス
 前節FC東京に敗れ、3連敗となった横浜FC。今節は上位につける名古屋との対戦となった。今季の名古屋はリーグ最少失点を誇り、堅守が特徴のチームであると言われ、その守備を横浜FC攻撃陣がどう崩すかがカギになるとみられていた。
 横浜FCは怪我人が多い中で、コンディションの良い選手を起用してきた。徐々にトップでの地位を固めつつある#28安永玲央は今節もスタメン。DFラインは前節から大きく変化し、#14志知孝明が左SBで先発、CBには#5田代真一が復帰、左CBは#26袴田裕太郎が務めた。右サイドバックは3試合連続で最強ルーキー#6瀬古樹が入った。さらに、キングカズが今季リーグ戦初のベンチ入り。連敗脱出へ、レジェンドの力も必要…といったところだろうか。カズさんのJ1最年長出場記録にも期待が懸かった。

 今節も立ち上がりから上手く試合に入れていた。ここら辺のアプローチはリーグ再開後から大きく改善されている点だ。チームとしての自信がつき始めている証拠である。とりわけ、8分のシーンは非常に良かった。この場面は#37松尾佑介に替わり、左SHで起用された#15齋藤功佑の持ち味が発揮された。サイドの選手とはいえ、トップ下が本職の彼が中央寄りでプレーをしたことが功を奏した。#7松浦拓哉と#16皆川佑介が上手い連携を見せ、#23斉藤光毅へと繋いだ。こういうシーンが増えてくると、得点機会も増えるはず…。そういう期待感のある場面だった。
 そう思ったのも束の間、名古屋の右SB吉田豊にミドルシュートを決められてしまった。滅多にみられないゴラッソに、横浜FCサポーターであるはずの私も思わず拍手してしまった。功佑が吉田との距離を詰めたらプレッシャーとなり防げた失点かもしれないが、そこまでのプレス強度を求めるには酷な場面だった。しかし、キャプテンであるGK#18南雄太は下を向かず、周囲に切り替えの掛け声をしていたのが印象的だった。こういう場面を見ると、彼が主将である理由がよくわかる。

ジンクスを破っちまえ横浜FC
 だが、この1点は、とても、とても重い失点だった。なぜなら、横浜FCは今季先制された試合は全敗であり、逆転できないチームであるからだ。(まあ、結果的に心配が杞憂に終わってよかった…)そんな中、19分CB田代が前線へ上がった流れから、齋藤功佑がランゲラックの手を弾く強烈な1発を沈めた。貴重な同点弾をアカデミー出身の彼が決めた。このゴールが功佑の今季初ゴール。続く22分、勢いそのままに獲得したCKの流れで田代がゴールを決める。NST(なぜそこに田代)が発動したかと思いきや、志知に当たって得点していた。何はともあれ、逆転のゴールだった。サポーターとしては、横浜FCのゴールであれば誰が決めてもうれしいのだ(笑)志知も今季初ゴール、横浜FC移籍後初ゴールとなった。志知くんおめでとう。
 逆転したことで、勢いが増した。25分に皆川が、32分に瀬古が名古屋ゴールを脅かすが、ランゲラックに防がれてしまった。33分には、光毅の巧みなドリブルから松浦がシュートするも、これは皆川に防がれてしまった。チームとしても仕留めておきたい場面であったが、皆川を責める人は誰一人いないだろう。その後は、上手くゲームを進め前半終了となった。

支配される後半戦
 後半は、名古屋に主導権を握られる展開が続く。田代が統率するDF陣はよく踏ん張っていた。特に71分の南のセーブ、今節のDAZNで取り上げられていてよかった。しかし、その直後の73分で、DFとGKがやらかしてしまう。後方からのビルドアップを指向するチームであるが故のミスだった。もう少し、周りがパスコースを作っていれば…と嘆きたくなる失点。長いシーズンを戦っていれば、こういうミスは何度か起きるもの。ここまで耐えしのいでいたDF陣を非難するつもりは毛頭ないが、次節以降は改善していただきたい。
 時系列はずれてしまうが、横浜FCは66分に#8佐藤謙介と#13瀬沼優司を投入。結果的にこの交代が功を奏した。78分、右サイドバックの瀬古が中へカットインしクロスを上げる。こぼれ球を拾った松浦のおしゃれなパスから瀬沼が仕留めた。対峙したDFから遠い距離にトラップし、冷静にゴールを決めた。その後、うまく時間を使い、名古屋の攻撃を凌ぎきった横浜FCが4試合ぶりの勝利を手にした。この勝利により連敗は3でストップ。素晴らしい試合だった。
 今季初の逆転勝利となったこの試合は、ターニングポイントとなるような、そんな試合だった。相手に先制され、流れを持っていかれたまま大量失点する姿は何度か見た記憶がある。この試合では、むしろ「やってやるぞ!」というような気概を感じることができた。1失点目のキャプテンの声掛けがすべてだと思う。リバウンドメンタリティが身に着いてきた。だがしかし、思い返すと、昨季は逆転が多かったような?そんな気がする。(詳しく覚えていないが)先制されるのは精神的にくるものだが、逆転できるチームへと変われたことは大きな成長である。

若手の宝庫・横浜FC、新章突入
 カズ、俊輔、松井といったレジェンドが名を連ねて、平均年齢が高いイメージのあった我がクラブ。しかし、今季は若い力が目立ち、東京五輪世代の得点者はリーグトップの5人だそうだ。(松尾4点、光毅・一美3点、瀬古・功佑1点)
 さらに、今季は勝利数、勝ち点、総得点、連勝数といった記録を、2007年のものから更新した。新たなステージへと突入した横浜FC、サポーターをさらなる高みへと連れて行ってほしいものだ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。個人的に、今季観戦した試合での初勝利となりました。(湘南、鹿島戦はDAZN観戦)
やはり、勝利するのは嬉しいですね。この勢いで、苦手な9月を乗り切ってほしいです。それでは、また。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?