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欠けた茶碗と悪い癖

握力が弱いためか、(わたしのいちばん可愛いところは握力です)
食器洗い中に取り落としてよく食器を欠けさせる。
みなさん、欠けた食器ってどのくらいで処分しますか?

母の実家では(つまり、わたしの祖父母宅では)、ちょっとでも欠けると
「胸糞わるい」って言って取り替えるそうです。
胸糞わるいってのは方言?「気分よくない」の、強い言い方です。
わたしだって、飲み口のとこが欠けたマグとかはそりゃ使わないけど。
あるでしょ。ものっすごいお気に入りの(けど普段使いの)カップとか
絶妙な深さと容量で使い勝手のいい小鉢とか
長年使ってきたために、それに合わせた盛り付け習慣ができてる平皿とか。
わたしはなっかなか、食器を処分できない人間です。

「いや、欠けたって言ってもちょこっと、此処のほんのちょこっとだし」とか
「他にお気に入りになりそうなものが見つかるまでは、ね…」とか言いつつ
ズルズルと使い続けてしまう。
縁起も悪そうだし運気も下がりそうだし、第一、飲み食いには問題ないとしても洗い物のときに怪我をする可能性だってある。
この、思い切りの悪さとズルズルなあなあにしてしまうこと。
これって、わたしの悪い癖だと思う。


仕事を始めるとき、友達がお金を出し合ってライトテーブルを贈ってくれた。

20年以上使って、もちろん何度も蛍光灯を変えて(蛍光灯方式なのだよ)
まーーーー、ボロッボロです。
中から何処のかわかんないネジが出てきたことも1度ではない。
よく生きてるなこれ。
これはね、いいの。新しいのに換えられなくても、いいの。
もらったとき、ものすごく嬉しかったから。一生、使うから。

けれど、その他の仕事道具も。
うちに仕事のお手伝いに来てくれた人は、その設備の充実していなさっぷりに
必ず驚く。
例えば机。島忠で買ったテーブルに正座で描いてる。
机に直接紙を置いて書くと線がデコボコするくらいにはボロい机だが、
必ず下敷きを使うからべつに問題ない。まだ使える。
定規が、欠けてる。
けどこの、厚みといいミゾの絶妙な深さといい、これの代わりとなりうるものに未だ巡り会えていない。
カラーインクは、よく使う色はそれなりに買い足ししてるけれど、そこまで使わない色に関しては20年ものだったりする。
たぶん元々の色とは変色してるし変質もしてる。これは大問題。

「とにかく今は、なんとか仕事ができればいい」
「あとあと、余裕のある時にゆっくり改善して充実させていけばいい」
こう言いながら、20年。
今更、仕事道具や作業環境を新しくしたとして、あと何年使うんだ?と思うと
勿体なくてできない。
そうして、ヘタしたらあと20年使ったりして。
ダメだろそれ…

ものを大切にしていると言えば聞こえはいい。
けれど、微妙な道具や環境でだましだまし作業しているなら、それって
自分というモノは大切にできていない。
結局は、
自分にしっくりくるものを手にいれる努力をサボってるし
投資が無駄になるのを恐れて必要な投資まで回避している。
そして、機会を逸し続けた結果、「機会」そのもののハードルばかりが上がってる。

何が言いたいかっていうとね。
初期投資、大切ですよってことです。
あと、思った時が吉日でしょ、ってことでもある。
欠けた食器には感謝しながら、早めに処分するのがよい。

わたしは今の仕事が明けたら、食器探しの旅に出ます。(画材は???)

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