バズを生み出す。マーケティング思考の高め方。
はじめに
「マーケティングは発明だ」誰かがこんなことを言っていた。
この言葉を聞く前に僕はこの言葉にたどり着いた。つまりそういう事だと信じている。
マーケターとかマーケティングって何ですか?と聞かれたときにその質問自体にあまり意味はない。マーケティングに広義な意味がある故に、ここに対して答えなど無いからだ。
強いて、ここに答えを出すとするならば自分ならこう答える。
「商品と顧客を理解すること」
何かの商品を売りたい時、そこにあるのは商品とそれを買う顧客。その関係性を明確に理解しつなげる。そこに対してたどり着く方法は無限に存在する。
誰が一番にそこにたどり着くか。その戦いこそがビジネスそのものであると考える。故に最高のマーケターは最高のビジネスマンと同義である。
僕が最高のマーケターを目指す要因である。
タピオカとの出会い
2018年僕はシンガポールにいた。ITの武者修行の為に単身で異国に乗り込んだ。オフィス街の一角におしゃれなドリンク提供店があった。
シンガポールは果実ドリンクが非常に安価に売られている、一つ80円ほど、新鮮で非常においしい。その中でポツンと圧倒的におしゃれなドリンク提供店がある。前述した果実ドリンク店の3倍ほどするドリンクに行列ができていた。
なんだこれは、
そう、そこにあったのがその後日本でも爆発的に人気を集めた「タピオカドリンク」だった。
友人がポツンと
「これ日本でも流行るぞ絶対」
いや絶対流行らないでしょ。甘いものが苦手な僕からすると考えられなかった。無論口もつけなかった。
つまり僕がこの時に犯したミスが
【主観で商品を捉えてしまっていたこと。】
【商品を知ろうとしなかったこと。】
ブームが起こってしまった以上、結果から学びを掘り起こすしかない。こんなビックウェーブを逃し、マーケターとしての一番の学び場を欠いたことが非常に悔しい。
惑わされてはいけない、タピオカが流行った理由
タピオカ人気・鬼滅ブームこれらの現象に対して、偉そうな人の偉そうな意見がところせましとSNSを埋め尽くす。
こんなのに惑わされてはいけない。大事なのは事実を把握しそこに対してどんな施策が打たれてきたのか。ただそこだけである。
偉そうな人の意見に再現性があるのか。そんな事を考えると無責任な発言だなと瞬時にわかる。それがどんな人の意見でも自分で見たものにしか再現性はない。
以下、僕が何をしてタピオカのバズに再現性を求めていったかを書いていく。
①トレンドを把握する
僕は一貫してGoogle様の奴隷であることを公言する。
そして今世界中の人の思考やインサイトを手中に収める企業がGoogleである。異論はなかろう。
気になったことや世の中の関心が高まっている記事、そういったものは時間とともにGoogleがデータとして刻み込んでいる。
そんなもの使わない手はない。Google様は自社データを積極的にオープンソースにする。
「Google トレンド」と検索すると便利なサイトに訪れることができる。
「世界中のトレンドをチェックしましょう」
そうまさにそれが知りたい事だ。トレンドを教えてくれ。いや教えてくださいませ。Google様。
「タピオカ」と検索バーに打ち込む。
一過性の流行だったことがわかる。と同時に、急激に伸びたタイミングを把握することができる。
青丸のここら辺。ここら辺に何かが起きている。2019年2月に何が起きていかがきっとバズの原因になっている。ここにこそマーケティングの再現性の詰まった施策があるに違いない。
②バズの施策は一体なんだ?
Googleを用いてトレンドを理解することでバズが起こったタイミングを把握することができた。
そのタイミングに何が起きたのかを把握しに行く。
Google様は素直に質問をすれば答えを教えてくれる。
「タピオカ 2019年1月」
で検索
どうやら2019年1月12日に表参道に初上陸している。
表参道といえば若者。そうバズの中心である若者の街に初上陸したのが2019年1月の出来事。ここからバズが始まったこと。これだけ見ても理解ができる。
タピオカという商品が世代的にも表参道を構成する層にヒットしたこともまぎれもない事実。
【仮説検証スポットとして表参道を1番最初の地として選択する。】
これこそがマーケターの仕事である。
ここら辺でも何か起きている。2019年4月の出来事。よし見に行こう
ここら辺からNewOPENのお店が増えてきている。圧倒的に店舗数が増えて、タピオカが身近なものになってきたというのがちょうど、このあたりだ。
それに加え「マツコの知らない世界」という番組で5月末にTV放送もされた。まとめ記事も圧倒的に増えてきたのもこのあたり。(以下青丸)
【市場の成長に確信を見出す。コンテンツを支配して顧客を確保】
これが市場の成長に伴いマーケターが求められるスキル。腕の見せ所でもある。
③商品を知る
トレンドから世の中の流れを把握する。これがここまでの作業で商品・顧客に関しての理解のさらに表面上の問題で結果論でしかない。
ここから商品と顧客の橋渡しを見つけに行かなくてはならない。
実地調査が必要になってくる。
このころ圧倒的に同世代女子に会いまくった。
僕の「女子大学生」というキーワードのトレンド上昇度は2019年の7月あたりがピークだったに違いない。
話をきいていくと。「なんとなく」や「おいしいから」等のマーケティング的に再現性のない意見の中に紛れて
「お腹に溜まるから」といった理由、「ダイエットしてて」、といった理由がみられる。
インサイトの根本がしっかりと見えた気がした。
そして、購入者は実際ここまで理解して購入しているのかは正直どうでもいい。
一番のインサイトは「罪悪感を感じさせない言葉」が必要であるという事がわかった。これはタピオカ市場という大きな枠組みというところではなく、店単位での施策によるものである。
市場の成長は正直施策や課題とかそういった単位ではない。そうなってしまえば人は自分の思考ではなく別のもので突き動かされるからだ。
【差別化しブランディングを進めていく】
その商品である必要を生み出さなければいけない。ブームや市場の成長には自社と他社を比べたときに決め手を生み出さなければいけない。
ここは早いもの勝ち感がある。マーケターは顧客のインサイトを把握し他社を泳がせながら市場を成長させ刈り取りに行く瞬間を見極めなければいけない。
タピオカのマーケティング
タピオカの価格や手に取りやすさ、からトレンドを生み出す世代に対して十分に訴求可能な商材である。その世代が多いであろう街で出店。→2019年1月仮説検証
十分に刺さることがわかる→2019年4月までで仮説検証終了
市場の拡大に伴って店舗を増やす。SNSでの自社商品コンテンツの増加施策→2019年5月スケール
市場が成熟してくると差別化が求められる。インサイトを的確について訴求を絞る。健康×タピオカ→2019年7月
大きく分けてここら辺が再現性のある施策ではないだろうか。
書ききれないが、Youtubeでの検索の推移やインスタでのコンテンツの推移をみていけば細かい施策に再現性が生まれてくる。
鬼滅でどんな現象が起きているのか見てみてほしい。バズが起きるそのタイミングであることが始まっている。
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