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股関節伸展を深掘りしてみた

火曜日ライターの松井です!

先週から嫁の里帰りが終わり、息子とともに我が家へ帰ってきました。
帰ってきたはいいものの、まだ生活リズムがつかめず、嫁も僕も中々苦戦しています。

育児しながらアクティブに活動されている方々は本当に尊敬します…。

中々大変ですが、少しずつリズムをつかみつつ、新しいことにも挑戦していこうと思います。

さて、臨床で股関節の伸展を出すことに難渋することってありませんか?

・伸展制限で立位が安定しない
・歩行時の立脚期が短縮し歩容が安定しない
・殿筋の運動療法を取り入れているが著効しない

などなど、色んな悩みがあると思いますが、人が抗重力位で生活する以上、股関節が伸展位をとれることは非常に重要です。

体の中心に近い部位でもあるため、運動連鎖でも他部位に影響が波及してしまいますし、動作に及ぼす影響も少なくありません。

でも、伸展制限が中々改善しないことも臨床的には非常に多く、今日はそんな伸展制限を解消するための一助として、股関節の伸展を深掘りして考えてみました。


マッスルインバランスから見た股関節伸展

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ここでは、ヤンダの筋の緊張性システムと相動性システムから考えてみます。

<緊張性システム>
・系統学的に古い
・一般的に屈筋または姿勢筋
・硬い、高緊張、短縮、拘縮の傾向
・動作時、活動しやすい
・特に疲労、新しい動き、複雑な運動パターン時
・萎縮しにくい
・強い
・単関節筋に多い

<相動性システム>
・系統学的に若い
・一般的に伸筋
・弱い、低緊張、伸張の傾向
・ほとんどの運動パターンにおいて活動しにくい(遅延活動)
・萎縮しやすい
・弱い
・二関節筋に多い


ヤンダアプローチ マッスルインバランスに対する評価と治療 表4.1より引用改変

ただ、上記に当てはめて筋肉を考えても明確にどちらかに分類されるというわけでもないことは覚えておいてください。

参考までにヤンダの筋分類も参照してください。

<硬くなりやすい緊張性システムの筋群>
・腰方形筋
・胸腰椎部脊柱起立筋
・梨状筋
・腸腰筋
・大腿直筋
・大腿筋膜張筋、腸脛靭帯
・ハムストリングス
・短内転筋
・下腿三頭筋(ヒラメ筋)
・後脛骨筋


<弱くなりやすい相動性システムの筋群>
・腹直筋
・腹横筋
・大殿筋
・中殿筋、小殿筋
・内側広筋、外側広筋
・前脛骨筋
・腓骨筋


ヤンダアプローチ マッスルインバランスに対する評価と治療 表4.2より引用改変

この2つのシステムと筋分類から考えると、股関節伸展に作用する筋群は弱く、伸張されやすく、低緊張に陥りやすい筋肉と言え、臨床的にも股関節伸展制限で屈曲に偏位してしまうのも合点がいきます。

ただ、注意すべきは大殿筋や中殿筋など殿筋群は相動性システムに分類されているのに対し、ハムストリングスは緊張性システムに分類されている点です。

これも臨床的に考えると、ハムストリングスは股関節伸展作用と膝関節屈曲作用を持つ筋肉であるため、二関節筋ではありますが、短縮して硬くなりやすい筋肉というのも納得できます。

以上を踏まえ、シンプルに考えると、殿筋群は収縮を促し、ハムストリングスはストレッチなどで伸張する必要があるということです。


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