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ねえそうでしょうBABY BLUE

いくらいいものを一生懸命に積み上げたって土台がなけりゃなんの意味もない。

だったら一回全部壊してしまって土台さえも一から作り直したらいいのでは?
でも土台って作り直せるものなの?そんな簡単ならきっとみんな正しく大事なものを大事にできるのだろう。

人生の目的って成功することじゃなくて幸せになることだよね。
っていう言葉はわかる。全部に共感できるわけじゃないけど成功よりは幸福の方が個人的には好みだ。けど、幸せになるよりももっともっと根源的な欲求として正しくいたいと思ってしまう。

いつも私の中の正しさが私を人と関わることにとてつもない疲労を与える。

正しいっていいことなはずなのに、「正しいことが必ずしも正解じゃないんだよ。」などと言われる。正しさって相対的なものなのだろうか。相対的になるのであればそれはもう正しさなんて言葉を使うべきじゃないのではないか。

世の中の多くの人が見過ごせる、気づかないフリがうまくできることが私にはうまくできないみたいだ。表面的に取り繕ってわかったような顔して「仕方ないよね。そんな事もあるよね。」とは言えるようになった。

けど、そんな耳障りのいい誰のことも非難しない言葉になんの意味があるのだろう。こんなにも私の中の正しさは絶対的なものなのに。どうしてみんな頭の中にふわっと当たり前のように浮かんでくる「なんで?」を無視できるのだろう。それとも、そもそも浮かんでさえこないのだろうか。

大人になるってそういうことなのだろうか。無駄に聞き分けが良くなることなのだろうか。別に私は世の中の理不尽なことに中指立てて、でかい声で抗議したいわけじゃないのだ。ただなぜそうなるのか知りたい、あなたはどう思っているのかを真剣に聞きたいだけなのだ。私が自分自身にずっとそうしてきたように。

けど、多くの人にとって「なぜ」と問われることは苦痛らしい。「なぜ?」というたった二文字は時に暴力的なのだ。みんななぜやるのか、なぜこうなるのか多くの事に向き合う時に何も考えなくて済むように頭を鈍感にして生きている。なぜなら「なぜ?」という問いに向き合うことは事実と向き合うことだからだ。事実は厳しい。現実は厳しい。考えなくても「そうなってるから。」と思ってやり過ごすことができるのに、わざわざそんなことを考えて心をすり減らすのはばかばかしいと多くの人が考えるからだ。

そもそもばかばかしくないことなんてこの世の中にはないのに。
どうせ死ぬんだから全部ばかばかしいじゃないか。人間は生まれた瞬間から向かう先は必ず決まっていて、それが死なのだ。どんだけ頑張っても死んだら意味なんてない。そもそも人生に意味なんてない。けど、意味がないまま走り続けるのは辛いからなんとなくそれっぽい理由をつけてやり過ごしているだけなのだ。

私がこんなことを言うとまるで精神を病んでいるニヒリストみたいに扱ってくる奴らがいるけど、そういう奴らは大抵バカでアホなのだ。羨ましい。する事に理由がなくたってできるんだから。人生は素晴らしいなんて心の底から思っているんだから。

確かに、私にも人生が、生きていることが素晴らしいと思う瞬間がある。
でもそういう時は決まって私は冷静じゃないのだ。冷静な時にそう思えた試しがない。物事を正しく見ることができる状態にいる時は決まって全てのことに意味がないと思う。だからどうというわけでもないが。

意味なんてないけど、生まれてしまったからには死ぬまで生きる。それは私が私自身に課した義務なのだ。生きることは義務だ。死ぬことが怖いとか悪いことだとか思わない。死ぬことは事象の中で最も独立していることであり、無に帰すことだから。

けれども、私が死んだら私の存在は無になるからいいけど、残された人たちには「私という存在の不在」を与えてしまうことになる。こんな偏屈な私でも愛してくれている人がいるのは事実だ。愛が何かという話は置いておいて。愛するものの不在は辛い。そこに意味なんてなくても辛いものは辛い。感情はいつだって思考を飲み込んで見えなくしてしまう。こんなに思考に飲み込まれて生きているというのに、私の感情は小さいわけでもなく、寧ろ人よりもでかいのだ。なんて不便だ。

感情も肉体もなくある一種の視点としてこの世の中に存在できたらどんなにいいのだろう、などど意味のないことを考える。考えすぎて頭が硬くなってがんじがらめになるから一生懸命に般若心経や仏教を学んだのに、結局また私は哲学に戻ってきてしまう。性なのかもしれない。バカみたいなことが気になる。気になって気になっておかしくなってしまいそうになる。もう既におかしいのかもしれない。

「考えたって仕方がないよ」なんて言葉はもう自意識と自己愛を肥大化させてしまった私には意味がないのだ。この世の中の全てのことみたいに。

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