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”課し”への羨望 2022/06/13

高校時代の友人たちがトライアスロンを制覇したと聞いて、自分たちに課したものの巨大さに打ちのめされたときの感情が、この日記を始めることになった原動力のひとつだといっても差し支えない。
自分になにかを課す力が非常に弱い私という生き物は、カーミット達の煽りとたまに日記につく営業まじりのリアクションに監督者の責務を負ってもらい、なんとかやり伸びてきた。

一昨日も「映画史に残るターニングポイントとなる作品を観て勉強する会」とか「友達2人と週刊で疑問について書く連載」とかをすでにクリエイティブな仕事の横でさらにしている同年代の話を聞いて、はぁぁぁぁと気が抜けていた。
読書ではなく人が本の感想を語らうのを聞くのが好きだ。筋トレ動画を30分見てすごく達成感を感じて眠る。そんな私は結局のところ、「やった気になる想像力」ばかりをもりもり発達させて、かろうじて置いて行かれないようにしているのかもしれない。なんたる惨状。なんのための健康な心身。これはただの受信機の乗り物なのか。

そんな私をさらに打ちのめす漫画があった。つづ井さんの春に出た新刊である。

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相変わらず不遇な推し活と愉快な友人たちとが描かれる素晴らしい漫画なのだが、「前世会(前世からの友人)」メンバーの遊び方が、”課し”の好循環すぎて咆哮せざるを得ない。
※以下ネタバレ含みます

3巻に登場したコロナ禍の楽しいあれこれを一部紹介する。

・アパレル店でしか存在がささやかれない”ちょっとしたパーティー”を自主的に開催し、おめかししてリモートで集まる
・リモート夏祭りを開催し、事前に会議で協議した祭りっぽい出しものをそれぞれ披露する(推しのお面を作る、太鼓を披露する、”花火”(という概念に着想を得た作品)を作るなど)
・初めて推しの夢小説を書いて感想をもらう
・供給が皆無の昔のアニメのCPのえっちい絵を自分で描いて交換する
・サプライズの誕生会(祝われる人の推しのメル画を描いてアクリルキーホルダーにしてあげる、前に作っていた”作品”のファンアートを贈るなど)

なんという”課し”力――というか本人たちはきっとそんなこと思ってない、単純に楽しい”生み”なんだろう‥。
世の中こんな集まりがたくさんあるんだろうか。当日まで正解が分からぬまま各自100均に行ったりして全力で準備する時間って、すごい時間だ。言い出しておいて、自分が時間がなかったり、仕切りをミスったり、よくわからない形に着地する、そういう想像をしたら怖くないんだろうか。ないんだろうな。
そう書いていて、自分はそんな臆病だったのか驚いてしまった。締め切りを作ればいい。みんな楽して出来てるわけじゃない。「やった気になる筋肉」ばかり鍛えるな!

青島ラーメン

少し散歩した先に行列のラーメン屋がある。中華そば系に目がないので喜んで並んだ。
雰囲気は怖かったけど、ショウガの効いたスープ・引き締まったメンマ・旨味のあるチャーシュー・あつあつの汁がとても美味だった。

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人に生まれて 人ではなくなり

明日海りおの『ポーの一族』を観た。3回目だ。梅芸のを配信で見て、生でも見て、今度は花組時代のDVD。今月ちょうど現役の花を観に行くので、柚香光さんの予習にもなった。

梅芸のがすごく好きだったから、夫とカラオケに行ったときに「ポーの一族」を歌ったところ、「これ面白そう、観たい」と言ったので、これ好機と先輩に円盤を貸してもらったのだ。
初見の宝塚は「面白かった」とのことで、良かった。かなり特殊な世界だと思うけど、全然気にならなかったようで不思議だ。適応力が高い。しかも今一緒に見ているドラマ『コントが始まる』にもみりおくんが出ているから、そういう親しみもあったのかもしれない。

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孤独なバンパネラたちが長い旅路で心をどう満たすのか――原作未読なのだけれど、やっぱり面白い話だと思うし、みりおくんの現世離れした少年の美しさが話をフルカラーの現実世界に昇華させてくれる。曲もいいし。

角煮

この日は大根サラダと角煮。美味い。
ざんちが角煮を極めているけど、私も角煮を極めたら流石にちょっと芸がないかなあ(自意識何)。

おことば

角煮は次の日も食べれる。



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