過去最強レベルの嵐の夜に4年付き合った恋人から別れを切り出された三十路女、ガルパン最終章第4話を観た。

2023年8月8日
“過去最強レベルの台風が上陸する”ということが連日報道されていて、まさにそれが目前に迫った頃、私はスマホを開いて硬直していた。
チカチカと鬱陶しい画面に表示されていたのは、やっと連絡がとれた恋人からのやけに他人行儀な言葉だった。

そうなる気はしてた。
そもそもその半月ほど前に喧嘩をしてから連絡が返ってこなくなった時点でまともな関係は終わっていたに等しいし、それをきちんと白黒はっきりさせたかった私が引き出してしまった言葉だ。
とはいえいざそれを突きつけられると、鉛を飲み込んでしまったかのように胸の奥がずんと沈んでしまって重たくて冷たい気持ちでいっぱいになってしまった。

まず何から考えればいいのか分からないほどぐちゃぐちゃだった私はとにかく泣いた。わんわん泣いた。
外から聞こえてくる雨や風や雷の音が余計にそうさせた。
日が暮れてからも状況は変わらず、泣き疲れて眠ってしまったような気がする。
しんどいことは続くもので、次の日は県内のほとんどの企業が台風対策で休みを選択する中、私は泣き腫らした目のまま上司の送迎で出社して、欠勤の社員さんの分までカバーするべく馬鹿みたいに働いて、豪雨の街中を歩き回って頬を濡らすのが雨なのか涙なのかも分からないままタクシーを拾って、ずぶ濡れで帰宅した。どこまでも哀れな女である。



それからの日々は仕事が忙しかったのもあって気がつけばあっという間に時間が流れていた。
幸い信頼できる人に状況を報告する機会があったので、話を聞いてもらいながら、お酒に逃げながら、どうにかこうにか一日を乗り越えていた。

何が苦しかったかって相手とちゃんと話ができてなかったことだ。
あの後、「最後にちゃんと話をしたい」と答えたものの生活リズムも休みも違うとなるとなかなか暇が合わず、いやでもお互い忙しいのに無理に時間作ったところでまともに話もできないしなと納得させ、あぁこういうすれ違いが続いていたからこんなことになったんだろうかとまた落ち込み……。

何がいけなかった?
あの日喧嘩したこと?
でもあれは誰でも怒るのでは?
どうしてこんなに一方的なんだ?
あんなに上手くやれてたのに?
上手くやれてたと思ってたのは私だけだったのか?
すれ違ってても大丈夫、だってお互いの時間を尊重できてるから。
でも結果的に“いなくなっても大丈夫”な存在になってしまったのか? 
4年という年月をこんなにも簡単に終わらせてしまえるの?
聞きたいことも言いたいことも、涙と一緒に溢れるばかりでどうしようもなかった。



2023年9月18日
仕事を終えて一度帰宅し、愛車に乗り込んだ。
こうして相手の家まで運転するのはいつぶりだろうか、あぁそんなことを考えるほど会っていなかったのかと、改めて押し寄せる寂しさに呑まれないよう、いつもより強めにハンドルを握っていた。

震える足で階段をのぼって、震える手でドアを開けて、
私たちは約3ヶ月ぶりに再会した。

そして、終わった。


言いたいことは言った。
聞きたかったことも、答えてくれそうなことは全部聞いた。

到底納得できるものではなかったけれど、「諦める」という気持ちを飲み込むのには充分だった。

これからはもう一人。
そう思いながらまたハンドルを握った。
ここにはもう来ることはない。
そう思いながらアクセルを踏んだ。
馴染みすぎた道も景色も、これがもう最後なのだと思うとただただ寂しくてかなしくて悔しくて、もう彼が乗ることはない助手席に彼の家から引き揚げた荷物を載せてひたすら走った。



4年間
それは私にとってはあまりにも長すぎた。
自分の半分がなくなってしまったようだった。

したいことも行きたい場所もまだまだあった。
話したいこと、教えたいこともたくさんあった。
誰よりも応援してほしかったし、応援していたかった。

一緒に好きになったものの情報をこれからも共有したかった。
そうしてきたことが癖になっていて、それがもうできないことがたまらなく切ない。
何かを選ぶとき、彼だったらなんて答えるだろうと考えることももうできない。

遠距離だって、コロナ禍で普通の生活がままならなかったときだって乗り越えてきた。
だけどそんなことも意味はなくなってしまった。

もちろん怒りだってある。
なんなんだこの野郎、馬鹿じゃねえのか、くそが、一度あんたも落ち込んでしまえばいいって思ってるの事実。

“無関心”にはまだまだなれない。
それがどうしようもなく苦しい。


とはいえ私も立派な三十路。
なんなら来月さらに歳を重ねる。
ネタにすらできない失恋だって過去にはある。だけどそれらはもう苦しくないから
だから今の苦しみもいつかは癒えると分かっている。
「こんな理由で振られたんだけど!」と共通の知人に事の顛末を話せば、彼を悪者にして一緒に怒ってくれるのだろうし、きっとそれが一番手っ取り早く楽に前に進めるというのも分かっている。

……分かっては、いる。


ああもう、やっぱり4年はでかすぎる。









そんなわたしも「ガールズ&パンツァー最終章第4話」を観て世界が変わりました。


NOW SHOWING



まさかの河嶋桃ちゃんのアクスタも発売


特典が被るのもまた一興


桃ちゃんと共に



とっっっっっっっても良かった。 
めっっっっっっっちゃ面白かった。
皆可愛いし皆頑張ってるし見せ場ばかりだし作画班頑張り過ぎだし内容濃すぎるしなんだこれ!?!?!?!?!?




ガールズ&パンツァー、失恋に効くし
まだガンには効かないがそのうち効くようになる。



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