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夢の中で夢を見る 透明なゆりかごの中で

 


 白い砂浜が光っている
 足元があたたかく、心地よい風が吹いている


 ここはどこだろう......


 風の香りが色となり海に光を与える
 海はエメラルドに輝いたかと思うと、純白に染まり、深いブルーへと変容する
 どこかで聴いたことのあるような鈴の音が遠い遠い場所から聞こえてくる


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 砂浜はどこまでも白かった
さらさらと足元にまとわり、消えていく


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 どこまで続いているのだろう......


 足の向くままに歩いた

 上を見上げるとここが大きな球体だとわかる
透明な球体は、はかなくも頑丈に思えた


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 球体の外は星が見える
 そのなかでも一際大きな星

 エメラルドに輝く美しい星


 なんて美しいんだろう?


 吸い込まれていきそうなほど、星たちは美しかった


☆ ☆ ☆


 わたしはどれだけ歩いたのだろうか?


 白い砂浜は大きな砂丘のように感じ始めた
この透明な球体の中は白い砂と色とりどりに輝く海

そして、とても懐かしい愛する存在がそこにいた

何も話さなくてもわかる
きっと同じ故郷の仲間


『ここはとても綺麗な場所だ

でもずっとここにはいれないように思うんだ

君は誰かがここに連れてきてくれたんじゃないかな?』


 その時、懐かしい仲間の隣に大きなシャチがいることに気がついた


『きっと彼が連れてきてくれたんだね』

するとわたしの横にも大きなシャチが現れた
静かに眠っている


☆  ☆ ☆


 気がつくと最初にいた海岸に戻っていた

 二頭のシャチは静かな美しい海辺で眠っている
きっと親子だ

懐かしい仲間もその横に眠っていた

「ありがとう、ここに連れてきてくれて......」

わたしのこころは広がりあたたかい光に包まれた



 ここはどこなんだろう?


 透明な球体はあらゆる星々の音を響かせている

 まるで、宇宙の小さなゆりかごのよう


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☆  ☆ ☆



 わたしは眠りから覚めた
 机の前に張ってあるシャチの絵葉書を見る


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 彼らの故郷はなんて美しいんだろう


 透明なゆりかごの中でまどろむシャチは優しいシルクのような光に満ちていた

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