宇宙童話 記憶保管所 記録係① クリスタルの板
庭に置いてある箱を開けると小さな石が入っていた。
久しぶりの便りだ。わたしはその石を握りしめて家の中に入った。
「便り!便り!誰からかしら?」
「この時期には珍しいわね」
お皿を洗う母さんはわたしに読んでいいわよと言ってくれた。
わたしは石をテーブルに置くとゆっくり眺めながら人差し指と親指でつまんだ。
「ナイル、そうじゃないわ。中指よ」
「あっ、そうだった!」
もう一度、石をテーブルに置く。そして、中指と親指で優しくつまむ。
「集中して、あなたはまだ慣れて