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【第4話】「自分の価値観を築きあげていく」

子供は皆、純粋無垢な状態で生まれてくる。何が良くて、何が良くないと言う判断もしない。しかし、大きくなるにつれ、あれがダメ、これは良いと言う判断がついてくる。そしてこの判断の多くは、両親によって植え付けられ、子供自身へ、身についていくものである。つまりは、親の価値観がそのまま、子供の価値観へと形成されていく。
 
 自分の家族にとっては、良いものでも、違う家庭にとっては、良くないものと、判断が異なるケースも多い。先ほども述べたが、子供は良い・良くないと判断しない。親の言われた通り、素直に受け取り、成長していく。
 
 最初は、親の価値観で、自分の基準が出来上がってくる。これは、みんながそうであるし、これは仕方がない。そして子供は、成長していくにつれ、学校や先生の価値観も加わる。学生のうちは、その学校のルールに従う時期も必要である。そして学生のうちの価値観は、他の人とそこまで大差はない。しかし、社会に出て、色々な人と触れ合うことが訪れた瞬間に、価値観の差に驚愕するだろう。自分の普通は、人にとっては普通でないことの方が多い事実を知る。自分の当たり前が、他の人にとっては、当たり前でないことを発見する。

 そして価値観の違いは、恋愛時においても、違いを学ぶことができ、非常に良い学びとなる。自分や自分の家族では、当たり前である常識を、「変わっている」と言われることもあるかもしれない。しかし、それでいい。自分の価値観・常識・普通は、人にとっては、「そうでないもの」と言うことを知るのは必要な機会である。恋愛において、親密な関係になり、お互いの価値観を知っていくのも成長段階においては必要だ。
 
 何よりも大事なことは、自分の普通を、他人に押し付けない事なのである。「他人と違って当たり前で、それで良い」と言う、価値観の大前提を伝えることが、最も大切な事なのである。ぜひ家庭において、子供に対しても、ここを伝えて言って欲しい。「我が家(自分)ではこれが普通だけど、違う家族(誰か)にとっては、これが当たり前でないってことを、知っておきなさい。どっちが良い・悪いものでもなく、誰かにとっての普通を、否定してはいけない。「そうなんだなぁ」と、ただ、受け止めればいい」と。

現代の大人で、これが出来ない人が実に多い。自分が正しくて、相手が間違っている。自分の方が正しい!と主張することの、無意味さを知って欲しい。

⑤へ続く

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