見出し画像

種痘は如何にすべきや

既説(きせつ)のごとく種痘(しゅとう)によって然毒(ねんどく)の排泄(はいせつ)を抑止(よくし)し、それがあらゆる病原となるとすれば、種痘は断然やめなければならないことは勿論(もちろん)である。しかしながら種痘廃止の結果として天然痘(てんねんとう)に罹患(りかん)するということもまた堪(た)えられない苦痛であろう。よってこの問題を解決するにはいかなる方法を採用すべきかというに、それについて最良の方策は漸減的(ぜんげんてき)手段を執(と)ることである。何(なん)となれば然毒の根元は薬毒である以上、薬剤廃止によって直(ただ)ちに効果を顕(あらわ)すわけにはゆかないからである。相当(そうとう)の時を要する以上、右の方法によって時を待つより手段はないのである。

しかしながら本療法(ほんりょうほう)によるとき、然毒は自然的減少の結果よりも数倍の速度をもって消滅するのみか、天然痘に罹患するも普通一週間くらいにて治癒(ちゆ)するから種痘廃止に対する危惧(きぐ)は無用といっても過言(かごん)ではないのである。

(「天国の福音」昭和二十二年二月五日)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?